第2話

根地黒門という天才
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2023/07/09 03:00
宙為と俺との間に入ったクロは俺の手を引いてどこかに連れていった。
根地黒門
根地黒門
(¯□¯ )ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙ア゙疲れた!
(なまえ)
あなた
っせーよ
根地黒門
根地黒門
やだ!お口悪い!
(なまえ)
あなた
なんで俺と宙為を割いた?
根地黒門
根地黒門
……君がここからいなくなりそうだからだよ
(なまえ)
あなた
……
俺は何も言わなかった。だってあのまま誰も来なければ俺はきっと……いやこんな根暗な話はよそう。
根地黒門
根地黒門
あ、そうそう新人公演の台本!
(なまえ)
あなた
またジャンヌ?俺そろそろジャックやりたいんだけど
不満を鳴らしつつ、新人公演の台本、不眠王を軽く読んだ。
(なまえ)
あなた
……状況はわかった。練習明日からでしょ
根地黒門
根地黒門
YES!
(なまえ)
あなた
わかった。ミツに呼ばれてるから、じゃっ
そう言って俺は台本を丸めてクロの作業部屋を後にした。
(なまえ)
あなた
美ツ騎おまたせ
白田美ツ騎
白田美ツ騎
いえ全然待ってないです
ミツは俺の手を見た。俺の手にあるのは右手には楽譜、左手にはクロから貰った不眠王の台本だ。
白田美ツ騎
白田美ツ騎
先輩今回出るんですか?
(なまえ)
あなた
うん。俺何も言ってないけどさ、でも役はあった方がいい
裏方も裏方で色々面倒なんだ。ミツにそういうとそうなんですねと行った。反応薄っ!
(なまえ)
あなた
じゃあこれ。クロから貰った歌うシーンのところ
白田美ツ騎
白田美ツ騎
うげっ( ꒪⌓꒪)
(なまえ)
あなた
ピアノはやってあげるから
渋々ミツは楽譜を見て歌い始める。俺はミツの歌声が好きだ。いつまでも聞いていたい。
白田美ツ騎
白田美ツ騎
……どうですか?
(なまえ)
あなた
うん。去年に比べて音ズレが減ったね、あとは姿勢と……
ミツの注意すべきところを指摘し、気づけば太陽は西に傾いていた。
(なまえ)
あなた
今日はここまで。お疲れ様
白田美ツ騎
白田美ツ騎
ありがとうございました
ミツの華奢な背中を見送り、俺はピアノの椅子に腰を掛けて、キーに触れた。人差し指でポンと押せば反応して音が出る。俺は両手の指を置き、『魔王』を弾き始めた。
(なまえ)
あなた
(´Д`)ハァ…
演奏が終わる頃には俺の瞳から涙が溢れ、ピアノを、制服を、顔を濡らしていた。
(なまえ)
あなた
『メイド長、王のシーツを直しました』
(なまえ)
あなた
『王様おはようございます……なんて言えない』
自室に戻って台本を読む。演技はまだまだ未熟だ。
根地黒門
根地黒門
あなたのニックネーム〜?何回もノックしてるんですけど!
(なまえ)
あなた
すまん
つい熱中し過ぎて廊下にいるクロに気づいていなかった
根地黒門
根地黒門
君にねお願いがあったのだよ
(なまえ)
あなた
面倒事な予感
根地黒門
根地黒門
そう!君にはもう一役やって欲しいのだよ
(なまえ)
あなた
は、はぁ!?
俺は戸惑った
(なまえ)
あなた
衣装とメイクは?!
根地黒門
根地黒門
ノンノン!そんなのいらないいらない‼️
全く。根地黒門という天才には毎回振り回されるな

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