第49話

やっと言えた
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2023/10/14 22:42 更新


  湧き上がる歓声の中、モニターに注目する

  綺麗なハオちゃんの顔が映し出される。
  もう1人は、黒髪の、あれ、こんなやついたっけ













  あれ、俺じゃね、?  (この間1秒)
 !?!?!?!? 

パクハンビン
 ヒョン…ㅠㅠㅠㅠ 
ケイタ
 かいとぉ、!! 

  腰が抜けてその場にしゃがみ込んでしまった
  俺を2人が立たせる。
  "待ってるよ、一緒にデビューしよう"
  そう言いたいのに、言えなかった
ジャンハオ
 …あなたっ 

  ハオちゃんに支えられながら、一歩ずつ
  歩いていく。
  長い、とても長い距離だった。
  途中で何度も足がとまりそうになりながら
  その度に手を引かれて、光を見せられて。

  やっと辿り着いた先から見る景色は満天の星空
  ともよく似ていた。
 嗚呼、美しい 


 最終1位の練習生は! 
  ジャンハオという男がこれまで歩んできた
  険しい道を見れば1位を獲得するのには十分すぎる

  彼の次の順位に見合う者になれるよう努力しよう
  いくつもの試練を乗り換えてきた
  俺にならできるはずだ。



















 キムあなたです! 










 え 





  あの時の約束に手が届いた。どれだけこの瞬間を
  望んできたことだろう。あの日に散っていた桜は
  長く厳しい冬を越え、新しく花を咲かせようと
  している。

  数えきれないほど堪えてきた悔し涙。上を向いて
  涙が溢れ落ちないよう、誰にも気づかれないよう。

  ドンヒョクたち見てるかな、俺、デビューしたよ
  ようやく、そっち側に行けるんだ


 感想をお願いします 


  ハンビンとケイタが涙を拭いているのが見えた
 っ 

  それはまるでダムが決壊したかのようだった。
  視界がぼやけ、頬が、首が濡れていく。

  泣かないでという声が客席から聞こえてくる。
  大きくなっていくその声にファンの方々に
  愛されていると感じた。

  

  "泣いてもいいよ"



  どこからか、でも確実に聞こえたその声。
  


 皆さん、心の底からッ 


  その言葉はとても大切で、だからどこか重くて、
  口に出してしまえば逃げられなくなってしまう
  気がして。
  言おうとするともう1人の自分が口を塞いで
  息が出来なくなるんだ。

  でも今なら、いやこれからは大丈夫


 心の底から…愛してます 

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