ෆ┈┈┈┈┈┈┈昼休み┈┈┈┈┈┈┈ෆ
あれからたけくんと先生からの賛成の声をもらい、いよいよ誘う準備はできた。あとは俺の勧誘力が結果を左右させる。
バクバクと大きく波打つ心臓を必死に抑える。
背後から関西特有の訛りと誰が聞いてもイケボと称される声が聞こえた。
みんなから「いふまろ」と呼ばれるその男は、猫宮いふ。帰国子女で英語がベラベラなうえ、他の教科も全て好成績のハイスペック野郎。
オマケに人の些細な変化に気づく完全無敵な奴。
俺が言葉を濁して言うと、色々察してくれたのかこれ以上深堀りされなかった。
まろの優しさに触れ胸がジーンとする。
せっかくみんな賛成してくれたんだから、ここで俺がナヨナヨしてはいけない。
生徒会長という名に相応しい、堂々とした足でいむの教室に向かう。
1年生のフロアを通れば、みんなが一斉に俺に注目する。昨日の今日だから入学式で見た俺のことを覚えてくれている子が多いみたい。
ヒソヒソと聞こえる声に俺は精一杯の笑顔を向ける。
そしていよいよ稲荷くんのクラスの前。浅く呼吸をしてからトントンっとドアをノックする。
近くにいた子がそそくさと稲荷くんを呼んできてくれる。
稲荷くんを連れ出すと、後方がザワザワの一気に騒がしくなる。
そりゃそうだよな、可愛いクラスメイトが昨日、生徒会長を名乗ってた野郎に連れてかれるんだもん。チラッと横目で見ると、稲荷くんは俯きながら四方八方から降り注がれる視線に必死に耐えていた。
その様子があまりにも可哀想に思えてくる。(自分がそうした張本人だけど)
俺が生徒会室という単語を口にすると稲荷くんは分かりやすく驚いた。
俺が教室に入った時は友だちと笑い合ってたり、俺が連れ出したときは静かに廊下ばかり見てたり…表情豊かな稲荷くんに思わず笑いが込上げる。
生徒会室でこんなに驚くんだ、俺が役員にならないか誘ったら腰抜かしちゃうんじゃないかな。
他の教室より少し重厚な扉の前で止まる。
無駄に豪華な金色のプレート。他の生徒は簡単には入れない緊張感が走る…が、俺にとって生徒会室は第2の家みたいなものだ。
緊張でガチガチになった稲荷くんを案内し、俺は会長席に腰を下ろした。
そして稲荷くんの目を見ながら口を開いた。
タイミング良く重なった自分たちの声に、笑いが起きる。ずっと緊張してた稲荷くんの空気も心做しか和らいだ。
稲荷くんは昨日と同じように深々と頭を下げた。
「この呼び出しってそれを怒るためなんじゃ…」と、恐る恐る聞かれた。
思ってもみなかったの問いかけにびっくりしてると
心底安心した、とでも言うようにほっと胸を撫で下ろす。だからあんな必要以上にビクビクしてなんだと今までの謎が解ける。
と冗談交じりに言うと、はははっと可愛い笑い声が返ってくる。
すぅーと大きく息を吸い、緩んだ空気を引き締めるように少し低い声で
3ヶ月近く更新してなくてごめんなさい🙏🏻












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!