足にぐっと力を入れて立ち上がろうとすると、葉奈に腕を握られて座らされた。
そう言われたらもう何もできない
幽霊を信じてない人が好ましい。
だって私が幽霊でも気づかないもん。
そして、私は箕作葉奈じゃない。
箕作葉奈は、一番最初に死んだ人。
親に殺されたらしい。
葉奈は、私と同じように生きてる人をこうやって呼び出して魂を49日までに交換した。
それで、その魂を交換させられた人がまた箕作葉奈の体に入ってまた幽霊を信じない生きてる人を49日までに探してまた入れ替わる。
49日を越えると葉奈の死体がでて、葉奈の体に入ってる魂もそこで入れ替わりは終わる。
あとは、入れ替わったらもう本当の名前を言ってはだめ。
死ぬから。
葉奈の体に入っていても新しく見つけた人の体に入っていても。
自分の本当の名を言ってしまったら死んでしまうから。
箕作葉奈の体に入ってから生きてる人に入れ替わった魂はその人でまた生きれるの。その人として。
葉奈もこれまでの人も、誰かと入れ替わってまた暮らしているんじゃないかな。
あと、私が名前を呼んだ人には私の姿は見える。
遙は呼んでたから見えてたけど柚月と蒼真は最後に呼んだからそれまで私のこと見えてなかったんだよ。
そう言って私の手に触れた。
そういえば…葉奈に触れられたのは初めてかもしれない…。
そんなことを思った。
あぁ…そっか……確かにこれは理不尽な死だ。
私も探そう。
生きてる人。
そういえば、葉奈と出会った記憶がないな…
私は…小栗遙。
でも、もう箕作葉奈だ。幽霊だ。
友だちとも話せない。
***
この日から数日、無事に柚月ちゃんと蒼真君。
楓と遙は付き合ったらしい。
遙は、青春を楽しんでいるそうだ。
そして、誰も気づいていない。
遙が入れ替わっているのを。
***
こんにちは。ナレーターです。
お楽しみいただけましたでしょうか?
遙はまだ葉奈になって生きてる人を探しています。
貴方の近くにいる人……実は遙ちゃんの魂がいる葉奈だったりして。
end














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。