いつからだっけね、
こんなに期待されるようになっちゃったの
小学校高学年の時には既に、
「すち」じゃなくて、「草野さん」って呼ばれてて
辛いものがちょっと苦手なんだけど、
それが周りに知られたら、
「草野さんって人間だったんだね……」
と言われてしまう始末
何かが出来てしまうから、
こんなにも期待されていくんだろうけど
俺は別に至って普通の人……
……なんだと思いたい
いつしか、つくるようになっていた
元々演劇習ってる影響で得意ではあるし
俺、細目だから中々感情はバレないし
結構いい条件揃ってるな、とは思う
そしたら、みんなからの期待に備える
やりたくもないリーダー格について
やりたくもない勉強を必死にやって
やりたくもない猫かぶりまでして
気がつけば、
生徒会長で常に学年一位の優等生に成り上がっていた
廊下を歩けばどれだけ人がいても道は開けて
不良でも問題児でも、敬語を使って頭を下げてくる
誰かしら俺を冗談で馬鹿にすることがあれば
誰かが「草野さんになんてことを」なんて言って
後輩と話していれば、「大好きです」なんて言って
漫画でしか見たことのない尊さで倒れるシーンが
俺によってリアルで目の前で繰り広げられる
この日々すら、偽りなのかもしれない
俺が意図的に偽っているんじゃなくて、
この日々が偽りで染まってしまっているから
俺も偽って馴染もうとしているのかもしれない
本音だけじゃない、
真実は、絶対に誰にも言わない
勉強法を聞かれたときだって、
やったこともない勉強法を答えるし
好きなものだって、基本的に
相手に合わせてどんどん変えていく
壊れそうになるぐらいの責任を抱えて
押しつぶされそうになりながらも
ギリギリで、今を生きている
……あ、そうそう、
俺のことを、心配してくれているんだと思う
この前の言動から、それは容易に想像できた
わかりやすいんだもん、みこちゃん
もうちょっと……せめて、ひまちゃんレベルで
隠した方がいいとは思うけどなぁ……
彼の✘✘✘✘✘に最近やっと気がついたからね
やらかしたって、後悔したな……
……でも、あの時のみこちゃんは、
信じられないぐらい対応が早かった
ま、どうせ俺には関係ない話
今日であと2話投稿……できたらします












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。