物静かな木造の小屋から、小さな声が聞こえてくる。

どうやら、2人はミステリー小説を読んでいたらしい。
確かにネタバレをしてみたい気持ちは分からなくもないが……
まず独り言の音量が大きいだろう。

……と、夜流が読書を再開した時。


チリンチリーン……


店のドアが開いた。

覚えたての敬語を使いながらオドオドと話す。
言いたいことが言えているか心配だったが、2人を見ると優しく微笑んでいた。

そう言うと依兎は涼音の手を引き店の奥へと案内する。

店の中には古そうな本やまだ使えそうな水彩パレット、少し埃被ったピアノなどそこかしこに物が置いてあった。

依兎は席に腰掛けると、涼音に向かって声をかけた。

高そうな椅子なので少し躊躇いつつも、席に腰掛ける。
そして、持っていたおもちゃの銃を依兎に渡すと

と元気よく言った。

依兎は可憐ライダー……？と頭にはてなを、夜流はおもちゃの銃に向かって憧れの眼差しを向けていた。

確か、涼太も買ってもらった時にそんなこと言ってたなあ……
壊れてない大事にしていたものを持ってきたのは少し申し訳ない……


いや、申し訳なくない！！だって涼太も壊したもん！！

1人で心の中で怒っていると、依兎が声をかける。

そうして、夜流は店の奥、依兎と涼音はガールズトークを始めた。

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