「夏休みなのに、何してるんだろ自分…」
「え、今って夏休みなんですか?」
「まふまふさん…」
私が哀れんだような、呆れたようなそんな目を向ける
「いいや!違いますからね!?断じて違いますから!!」
とまふまふさんは、必死に否定する
「そ、そんなことより!今日のお題は、5000個のドミノ完成させないと出られない部屋らしいですよ!」
あからさまに、話を変えたので大体は察してしまった
いや、そんなことよりも
「5000個のドミノってなんですか美味しいんですか」
今初めて、この部屋の全体を見回したが、部屋の隅にドミノの山があった
「あなたさん、後は頼みました。僕は何もできません」
「…いやいやいやいや」
「この量を1人でやれと言うんですか!?」
まふまふさんの目を見ながら、ドミノの山を指さす
「だって…僕がやったら、確実に倒しますもん…」
自分のことを下げながら、私から目を逸らすまふまふさん
「それでも、私1人でこれは何時間掛かるか分かりませんって!そもそも、私も倒しますし!」
「何時間かで完成するならいい方ですよ!僕なんて倒しまくって、1週間掛かりますから!!」
「それもう死んでません?」
なんとか、まふまふさんを説得し、今二人で頑張っているところ…なのだが
細かい作業で神経と集中力を削がれてく…きつい
「あっ…」
まふまふさんの絶望するような声と同時に、ドミノの倒れる音が絶え間なく響いた
最早、その音を聞いただけで脳が理解を放棄する
「まふまふさん?…」
まふまふさんと笑顔でお話し合いを試みる
「ひえっ」
小さい悲鳴をあげ、なんとも苦しい笑顔でこっちを見るまふまふさん
「ドミノちゃんとカーブ作りましたよね」
ドミノを作る時はカーブを作った方が、もし倒れても被害は減る
なので、作った方がいいのだが…
「えぇと…あはは」
笑って誤魔化すところを見る限り、作るのを忘れたんだろうなと見て取れる
「…次からはお願いします」
「はい……」
紆余曲折ありながらも、なんとか完成したドミノを倒さないように、さっき開いたドアの方に向かう
「せっかくなので、ドミノ倒しませんか?」
まふまふさんが提案してきたところで気付いたが、ドミノって完成した後に倒すものだったな…
よいしょ、とまふまふさんが立ち上がった時に、手がドミノにクリティカルヒット
そのまま、パタパタと軽快な音を立ててドミノが倒れる
その倒れ続けるドミノを無心で見届ける
最終的に中途半端な所で止まったが、そんなことはどうでもいい。空腹と喉の渇きが凄い
「早く出ましょう」
「ハイ」












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。