第96話

どん底に堕ちていくのは私だけでいい
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2023/08/31 15:42 更新
メメントモリ
ァ…………、
メテヲ
大変でしたね。
メテヲさんがそこにいる。
もっと感じる事、考える事、やりたい事はたくさんあった。
そのはずが、今は目を見開く事しかできなかった。
体が動かんとしなかった。
メテヲ
あなたはまたこうして1人ぼっちになってしまった。
また………
メテヲ
本当に…あの日と同じ顔をしている。
あの………ひ……
メテヲ
ま、あの時の僕の事なんて…覚えてるわけないですよね…?

























メテヲ
ずっ………とiemonに依存していたんですから。
メメントモリ
ッ……!
メテヲ
わかります?依存ですよ、い・ぞ・ん。
メテヲ
本当…僕が入る隙間がない程にね…。
嫉妬……してたの…………?
メテヲ
でも、そんな事どうでもいいんです。
メテヲ
どうでもいいと思えるほど、あなたは僕の理想になった。
メメントモリ
り…そう………ッ
次第にメテヲとめめんともりは目と鼻の距離まで縮まっていく。

メメントモリ
ねぇ……教えてよ。
メテヲ
どうしました?
メメントモリ
なんで……殺したの?
なんでiemonさんを……ラテさんを…レイラーさんもみぞれさんもヒナちゃんもウパさんも死ななければいけなかったのか、わからない…1人も死んでいいはずがない皆をどうして………
メテヲ
……変な事いいますね。僕は1人だって殺すつもりなかったし、殺していませんよ?
メメントモリ
ッ………そんなわけないだろ…
メテヲ
iemonさんは元々全てが終わるまで拘束しておくだけでしたよ?
それをラテさんが「勝手に」殺しただけ。
メテヲ
そのラテさんは犯した罪に耐えきれず自殺を選んだだけです。
メテヲ
レイラーさんやみぞれさんだって、柊鳴ヒナの暴走に過ぎない。僕はただ行動不能にしろと言っただけで殺せだなんて一言も言ってない。
メテヲ
全て柊鳴ヒナ自身が選んだ選択です。僕はそれについて賛成も反対もしませんよ。
メメントモリ
……さんは
メテヲ
ん…?
メメントモリ
ウパさんは…
全て言い切る前に、メテヲさんは何か察したような表情を見せた。
メテヲ
………そっか。
メテヲ
ウパさん…死んでしまったんですね。
メテヲ
しかも、その口ぶり的に八幡さんはまだ生きてると…あぁ…柊鳴ヒナとの約束は守るつもりでしたが、まぁいいでしょう。
録音の声を聞く限りメテヲさんは故意があってウパさんを刺した。これを殺しと言わなくて何になる。
メテヲ
八幡さんもウパさんも、僕は急所を外したつもりですよ。
メメントモリ
そんなの…ッ
メテヲ
嘘……とでも思いますか?
メメントモリ
ッ…!
メテヲ
……死ぬ事はありませんでしたよ。
  「安静にしてれば」ですけど。
メメントモリ
ッ…………
その言葉を聞いた途端…考えてしまった。
メテヲ
ねぇめめさん、ウパさんは安静にしてましたか?
メメントモリ
…………
メテヲ
なら聞き方を変えますよ。
メテヲ
ウパさんのしつこさには…僕も十分理解してるんですよ。
メテヲ
捕まる前だって…最初に僕が黒幕だと気づいたのはウパさんなんですよ?これって、好きな人のためなら何でもできるって事ですかね?
メテヲ
たとえ一方通行だったとしても、想い人が別の人を好いていたのだと知っていたのだとしても…そんな事も気にせず全員を救いたいんだと言いたいかのように今まで奮起していた彼に……





























メテヲ
「無理をするな。」って言ってあげました?
メテヲさんのその言葉に寒気がした。
額に垂れた冷や汗が静かに首筋まで慕っていく。












……………



























私のせい……?

あの時私がウパさんを引き止めていれば、

私が頼っていたから?

心の支えになっていたから?

それが彼にプレッシャーを与えていたのかもしれない。

頼ってる間もウパさんは1人で抱え込んでいたのかもしれない。

あの時…ウパさんがラテさんのお墓の前で話をしていた日にはすでにウパさんは多くストレスを溜めていたのかもしれない。
































そんな彼に…私は何かしてあげた事はあるか…?
メテヲ
はは……いい加減わかりませんか…?めめさん
人差し指を自身の口元に寄せ、小さく笑みを溢すメテヲ。
その行動一つ一つに顔から溢れてしまうほどの恐怖を感じていた。






























メテヲ
あなたが皆を不幸にしていた事をッ!
メテヲ
iemonさんも、ラテさんも、レイラーさんも、ウパさんも、それ以外の皆だってみーんな!あなたに構うから不幸になるんですよ!
メテヲ
「運命」には逃る術はないって事を皆は理解していないんだ!めめさんには僕しかいないって運命を!それに逆らおうとするから死ぬんだよ!
………もう何もわからない…………
















………………………いや。






















メテヲ
あなたが彼らと関わろうとしなければ…皆が不幸になる事はなかった。
メテヲ
あぁ…ほんとにね…。
……………………関わらなければ…


























今は……どうなるのだろう…………

これからは……どうなるのだろう。

ずっと先も……………ずっっっと先だって…………

























私さえ………いなければ…………
























私がどん底に堕ちてしまっていれば……皆は不幸にならずに済んだのだろうか。










メメントモリ
……………て…
メテヲ
ん……?
メメントモリ
せめて…今生きてる人達との関係を断ち切れば…
メメントモリ
皆…不幸にならないんですか…?メテヲさん。
メテヲ
はは……そうなりますね。
メテヲ
ええ。……運命に逆らおうとする人がいなければ、不幸にはならないですよ。
メメントモリ
運命…ですか。
メテヲ
そう……僕とめめさんに繋がれた運命の愛………
 



















 






















メテヲ
「愛の運命には誰にも逃れられない」!!!
メテヲ
誰にも裂く事できない愛には逃れる事はできないんですよ。例え神でさえもね…♡
メメントモリ
……………
運命の愛……










メテヲ
……………ねぇ…めめさん。
メテヲ
ここから2人で遠くへ行きませんか…?
メテヲ
遠く…遠くの地へ……誰にも邪魔できないようなそんな場所…

























メテヲ
この命ある限り…どこまでも2人で。









メテヲさんとの顔の距離が徐々に近づいていく。



それが何をしたいがためかはわかっていた。


そして、「それ」を受け取ってしまえば2度とあの楽しい時間が戻る事がないこと、
心も体も…きっと1匹の悪魔によって作り変えられてしまうことを本能が理解していた。


それをすぐに拒否する事もできた。

けれど…恐らく私がいればこれからも皆に迷惑をかけてしまうのだろう…それならばいっそ、身を委ねてしまってもいいのかもしれない。流れに身を任せ…体を全て悪魔に預けてしまってもいいのかもしれない。




























もう疲れた。





何も考えたくない。
私の顔を見つめ…悪魔も喜んでいるように見えた。
1人の女性を堕とすような悪魔の目から私の顔反射されている。

























あぁ………私の顔って_________





























メテヲ
もう…誰にも渡しませんよ♡






















































そこまでですよ。めめさん。



その最後の言葉を聞いた私は、両目をゆっくりと開いた。

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