第57話

ねこまのこねずみ19.4(春高3回戦@ゴミ捨て場の決戦・谷地)
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2025/08/25 23:43 更新
清水先輩はベンチにいて、私よりちょっとだけみんなと近い位置にいる。
ネットの向こうのあなたちゃんも、同じくベンチの前に立って、みんなをジッと凝視していた。
初めてできた東京の友達。
音駒と烏野、孤爪さんと日向みたいに、対になる因縁のライバルの相手があなたちゃんで嬉しい。(私たちには関係ないことだとは思うけど)
枚挙に暇がないくらいあなたちゃんが完璧すぎるから、正直隣に肩を並べるなんて肩身が狭いんだけど。こうして境遇が同じ友達としてだけじゃなくて、離れ離れでも離れられない縁があるなんて、こんなに特別なことはない!
そして私がそれと同じくらい嬉しかったのは、隣に並ぶと同じ高さにあなたちゃんの顔があること。それが嬉しいと感じるのは、私たちにしかわからないだろうか。
最終セット。両者20点台。あと数分で勝負が決まる。

来年のインターハイ、春高。再来年のインターハイ、春高。私たちはあと何度こうして大きな体育館で顔を合わせることができるだろう。
ボールがあちこち飛び交う度、一喜一憂して声を漏らす。アーッ!とかウー!とか、行けー!とか。
会場中が、息を呑んで、喝采を送って、みんなのことを見守っていた。
この数分間が長く長く引き伸ばされて、早送りになったり、スロー再生になったり。
向こうのコートに天井まで高く上がったボールが、セッターの指先を滑って、重力に従ってそのまま軽い音を立てて床に落ちた。





谷地
か、勝った……
その時、清水先輩とお互いを見て目が合った。
そしてすぐに反対を見たら、あなたちゃんとも目が合った。笑っていた。
谷地
……
谷地
(すごいな。)
私はあんな風には笑えないや。
あなたちゃんのあの笑顔を見て、さっき思い出していたことをより鮮明に思い出した。

きっと、みんな同じことを感じていたと思うけど、今この時、あの灼熱の夏合宿の中にいるようだった。真冬、1月のこの空間に。

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