パァンッ
銃声が耳に轟く。
あぁ、
私、この音。
嫌いだ
鷹岡、
腰にナイフ。
左手にピストル。
そして、隠しているけど、
ジャケットの中にスタンガン。
グッと足に力を入れ、鷹岡と距離を詰める。
右、
目に見えない程のスピードでナイフが
私の頬をかすめる
気持ち悪い。
名前で呼ぶんじゃねぇよ。
後ろから攻撃を仕掛けようとした
カルマに気づき、鷹岡が蹴りを入れようとする。
突然、
__________窓の外で、銃口が光った。
角度、位置……、
鷹岡が、
このまま、
知らんやつに打たせてしまえばいと思った。
アーニャを攫い、怖がらせた罰に相当する。
けど、
私には、
"ルールがあるから"
床に蹴りを入れ、落ちていた紙を撒き散らす。
人を痛めつける暗殺者は、
嫌われんのは
逃げんな、
負けんな。
殺めんな。
数分して。
カルマの拳が、
この長い戦いを静かに終わらせた。
NEXT➔➔➔
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!