見渡す限りの青空。清々しい風。
先程までいた学校の教室とは全く違っていた。
どこからか聞こえてくるこの声は、あの教室でも聞いた声だ。
再度見回してみると、一つのちゃぶ台があった。違和感しかない。警戒しながらも近づいてみると、机の上にカードが置かれていた。
ぞろぞろと集まってくる人たちの顔を見ていると、また違和感があった。ぐるぐると記憶を呼び覚まそうとしてみる。
シン、と静まる。なにかまずいことでも言ったのかと顔色を伺う。本当のことを言っただけではあるが、死というのは恐ろしいものである。それを思い出させる発言をしたとは思うが、このメンツで共通点を探した時にこれしかなかったのだ。あの司会者の声を聞いたあとのこの状況で、ゲーム内の絡みだとは到底思えない。
久保田は自分と遠巻が人狼だったことや占い結果によって二人共殺されたところまでを一から話した。復習も兼ねて全員が知っているはずの初日から話したこともあり、各自心も落ち着いていく。
体ごと割って入って無理矢理喧嘩を止めに入った。二人より背が高いため、お互いの顔が見えなくなって少しは冷静になってくる。
ちゃぶ台の上のカードを取ろうとした四宮の手を、黒い布で覆われた別の手が止める。
真っ黒いスーツに真っ黒い手袋、真っ黒い仮面で隠された顔。性別もわからないけどどうも男のような体に見えた。
長い指がカードを取り、シャッフルし始める。なめらかで綺麗なシャッフルに誰もが見惚れていると、彼が説明を聞いてもらうためパタ、とカードの動きを止めてしまった。
ザッと両手で広げたカードの背を見ながら、説明の続きを待つ。こういうときは慎重になったほうがいい。ゲームで育てた勘がそう言っていた。
笑うかのように告げられた。仮面のせいで笑っているのかはわからないけれど、そう感じられた。
参加者= 久保田 真太郎
四宮 玲香
遠巻 穂香
B型の猫
水ネコ
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。