(おんりー視点)
🍌「で、この武器それなりに良いよ」
🐷「なるほど」
MENに彼女ができてから、
1週間が経った。
1週間前と変わらない
ゲームの武器の話なのに。
🐷「彼女はこれ使ってるわ」
🍌「へぇ」
会話する度、ヤツの話である。
🍌「彼女さんってゲームやってたんだ」
🐷「うん、
上手いし可愛いんだよ」
ヤツの話になると
こうやって嬉しそうにニコニコする。
ラブレターを下駄箱に入れるみたいな
漫画からコピペしたようなことするとことか
...ほんと全部が可愛く思えてさ。
🍌「...」
浮かれてるようなMENに
また俺は言葉を返せなかった。
薄笑いで話を聞きながら玄関まで着く。
何もせずに休日を潰したみたいな気分だ。
🐷「じゃ俺、彼女こっちで待つから
教室行ってて」
お互い反対方向に歩き出そう
という素振りだったが。
1歩踏み出した瞬間、
視界の端っこで重心が揺らぐMENが見えた。
🐷「んぉあ!?
ちょ、おんりー...」
🍌「え、何???」
MENの視線の先にある俺の手を見ると、
いつのまにか
俺はMENの鞄の紐を握っていたらしい。
🍌「...悪ぃ」
...やらかした。
何がダメだと思ったのかはわからない。
ただ、俺が凄くカッコ悪いのだと感じる。
🐷「何かゴミでもついてた???」
🍌「いや、気になったことあったけど
違っただけ」
何とも思っていないMENは
きょとんと小首をかしげる。
俺だってなんでそんなことしたかわからない。
気になったことなんてないけど、
俺の行動で俺はどうしたかったのかわからないけど。
ちょっぴり、ウソをついて誤魔化した。
ーーーー__To be continued...__ーーーー
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!