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第2話

『貴方の頭に取り憑いて。』
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2025/08/17 01:00 更新
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やほ、執事くん。
いきなりそんな声が聞こえて、ふと目覚めると、俺は見知らぬ場所にいた。

いつの間にか、俺は食堂にあるような長机の誕生席に座らされており、丁度その反対の席では一人の少女がへらりと笑っている。
スバル
は?
その、上等なドレスを着た紺碧の髪の少女は、俺が困惑したような声を出しても、笑みを少し崩して眉を寄せるだけで、こちらが疑問に思っていることを分かっていないようだ。こうして見つめあっていて、何か起こる訳でもない。そこで俺は、一番疑問に思っていたことを口にする。
スバル
えーと、その……誰?
そんな俺の問いかけで、少女は漸く気付いたように、ああ、と小さく声を上げる。
(なまえ)
あなた
初めまして、執事くん。
私はあなたのカタカナの名前。少し君の中に住まわせて貰ってるだけの、ただのホロゥだよ。
スバル
__ちょっと待ってくれ。
…俺の中?ホロゥ?

ホロゥについては、だいぶ前のこっくりさん事件で知っている。地球で『幽霊』と呼ばれているたぐいのものだ。百歩譲って、それは分かるとしよう。だが、
スバル
君のな…え…?
俺の中とは、どういうことなのだろうか。錯覚か何かなのかは分からないが、全身が毛羽立ってぞわぞわとする。思わず浮かぶ鳥肌に、俺は腕を抱いた。
(なまえ)
あなた
んー…中っていうか…まぁ、取り憑いてるっていうか?
取り憑いている、という言葉に、俺は慌てて後ろを振り返る。しかし当然に、そこには誰もいない。安堵のため息をし、再び少女に向き直ると、少女はくすくすと声をたてて笑う。
(なまえ)
あなた
ふふ、どう見ても目の前にいるじゃん。
__そうだった。
少女のこちらのペースを崩してくる話し方は、なんだか大罪司教に似ていて、酷く疲れる。
スバル
…疲れた。眠る前より疲労がすげぇよ。
(なまえ)
あなた
こっちは楽しいんだけどなー…ま、そういうことなら早めにこうやって呼び出した事情を話そうか。
スバル
事情?
(なまえ)
あなた
そう。ここは楽しいけど…ずっと居たいって訳じゃない。それに執事くんも、ホロゥにずっと居座られても困るでしょ?
スバル
まぁ、確かにな。
(なまえ)
あなた
だからね、私をここから消してほしいの。君は適役だと思うんだけど…どうかな!
今までで1番の笑顔で、少女は残酷な提案を告げる。
スバル
いやいやいや、消すって、何もそこまでしなくても!
面倒くさい奴だなとは思っていたが、消えてほしいなんて思ってはいない。拒否という意味を込めて、首を横に振るが、少女は不思議そうに首を傾げる。
(なまえ)
あなた
…え、でも……
(なまえ)
あなた
んーーー、じゃあ君が私を消したくなるようなことを言ってあげよう。
少女は悩みに悩んで唸った後、決心したように席から立ち上がり、スバルの元へ歩みを進める。

そして、少女は__
(なまえ)
あなた
改めて、名乗らせてもらおうか。









(なまえ)
あなた
__私は元魔女教大罪司教、『暴食』担当、あなたのカタカナの名前・あなたのカタカナの名字。
これから、短い間宜しくね、執事くん。
妖艶な笑みを浮かべてそう言って、スバルに『暴食』の名を告ぐのだった。

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