第13話

「剣と舞う」
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2019/08/03 21:43
王をそそのかし、ディアブロの箱を開けた隼に
怒りを隠せない里津花と大は最後の戦いに挑む

大)俺が先に行く!

大が隼へ向かって走り出す、
踏み込んで剣を振り下ろし、薙ぎ払う
しかし、最低限の動きで全てを交わされてしまう

隼)ふふ、当たらないねぇ?

大)くそ!

里)俺も戦う!

焦れたのもあるが里津花も戦いに参加する、

大とは反対側から隼を追い詰めて剣を振るう、
両サイドから振るわれる剣技、

ギィン!キン!キィィン!

2人がかりでやっとの攻防戦、

隼)こちらからも行かせて貰うよ?

タン!と踏み込んだと思った刹那、2人の間に飛び込み一線、刃が2人を斬りつける、

大)ぐ!
里)ッア!

距離を取る2人、方や余裕の化け物

隼)あれ?深く切り込んだんだけどなぁ。

クスクスと笑う姿に苛立ちがます、

その時だった、

カッ!とディアブロの箱から溢れる光が強くなり、光が隼を拘束する

隼)な!これは...また、僕の邪魔をする気か!ディアブロ!!

赤い光の中、かすかに影が浮かぶ...

ディアブロ)・・・・・・

微かに視線が合った気がした...

大)好機!

剣を構え直し、隼へと斬りかかる

ザン!と隼の胸が赤く染まり、

里)ここで倒してみせる!

ヒュッ!と隼の腕を斬りつける!

隼)ああああ!!!クソガァ!!

余裕が焦りに変わる、箱の背後に影が広がっていく、

隼)ぜぇ....魔界のゲートさ、悪魔も、魔族もその全てでこの世界を壊してやるさ!!!

壊れたように笑いながら...

隼)そして僕はこの世界の神になぁぁあ!

刹那、大の剣が隼を貫く!

大)お前が神?笑わせるな、世界を破壊するのが神なら...

さらに剣を押し込み、

大)俺が否定してやる!

グン!とディアブロの箱へと押しやりる
影は形を崩し、歪み始め...

隼はディアブロの箱へと引き込まれていく

隼)まだだ!!まだ終わらせない!

しかし、ディアブロの力が弱いのか
隼の抵抗に押し負けようとしていた...

ピシ!と箱に亀裂が入る、

里)箱が壊れたら、災厄を止めるすべが無くなる!

その時、冷静な声が響く、、、

大)まだ、終わりじゃない...

大が隼の方へ行くのを止める里津花、

里)待って...何をする気なの?

大は里津花の方を見ない、その視線は
魔界のゲートへと注がれていて....

里)...駄目だ、そんな事させない!!

大の考えを、覚悟を悟った里津花が叫ぶ

大)離してくれ...里津花。

里)離さない!犠牲になるつもり、大!

大)このままだと、箱は持たない...
なら、箱ごとあのゲートに押し込んでやる。

ディアブロの箱ごと、隼を魔界へと押し返そうと言うのだ

里)そんなの、大だって無事じゃ済まない!
巻き込まれて帰ってこれないかもしれないんだよ!

里津花の声が部屋に響く、
しかし、大の覚悟は揺るがない

大)前に言ったよな、争いのない平和な世界を作りたいと。

大が里津花へ向き直る、

大)そして、俺はあの日アンタに忠誠を誓った。

里津花の髪に触れる、、

大)あの日から、アンタの夢は俺の望みだ。
たとえ体を失っても、魂はアンタの元に帰る。

里)そん...!

トンっと首に衝撃が走る、意識が揺らぐ...
離したくないのに、行かせたくないのに...

里)だ...い...

薄れ行く意識の中で必死に彼の名を呼ぶ
そして、意識が途切れ...

大)悪い、アンタが王になった姿を見れないのが残念だ...

触れた髪に口づけ、覚悟を新たに進む、

〜大切な人の夢を、世界を守る為に〜

大)おおおお!!!!

剣を構え、隼へと走る!

隼)小賢しい、人間がぁ!!

大の剣が隼を貫き、ディアブロの箱を巻き込みながら魔界へのゲートを越えていく....

隼)これでも...駄目なのか...

隼が力尽きたのか、ゲートが霧散し消えていく
王城の地下に残ったのは、眠る里津花のみだった。

つづく

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