~あなたside~
遥人を筆頭にバレンタインの話で盛り上がり、男共の自慢話を一通り聞かせられればこの話題も終了かなって思ってたけど...
何故か最後に私に話題を振られた
バレンタインだから私はもらう側じゃなくて渡す側なんだけど...
学生の頃は時間に余裕もあったし、何作ろっかなとか考えたり、友達と材料を買いに行ったり試行錯誤して色々作ってみたり...
まだ子どもだったから失敗ばかりだったけど、それはそれで楽しかったなあ...なんて思いながらチラッと健人の方を見てみると、何やらつまらなさそうな顔をしていた
なるほどね
私の話はあまり聞きたくなさそうだね
自分の時は私を妬かせようとしてたくせに
実は妬いてた
なんて言ったらどうせ健人は調子に乗るから絶対に言ってやんない
寧ろ今度は私が健人を妬かせてあげるよ
私が妬いた時よりも何倍も...
いや、超倍にして返してあげる
ふふ、見逃さなかったよ
私が「だーい好きな人」って言った時に健人の眉がピクッとしたところを
ほら、その顔を歪ませてみなよ
如何にも嫉妬してます。
って顔、もっと見せてみなよ
WOW!!
声がめっちゃ小さいし低い
これはかなり手応えがあるんでは...
でもね、もう一押ししちゃおうとか思うんだよねえ
どうやらもう一押しはいらなかったようだ
いつの間にか嫉妬心がMAXどころかメーター振り切ってたみたいだね
めっちゃ叫び声がうるさい
耳塞いどいて正解だったね、勝利
えっ!?
なんでみんなしてどっか行っちゃうの!?
変に気なんか効かせなくて良いから!!
寧ろここにいてよ!!
きっと今から暴走する...いや、既にもうしてる健人を止めてよ!!
っていう願いは虚しく、健人と2人っきりにされてしまった
こーゆー時だけ逃げ足が早いんだから...ったく、
ギロッと睨みを効かせてる顔が般若に見える
でもさ、昔にチョコを渡したその人の連絡なんて...
そんなの私の方が知りたいよ!!
どうしたら気を治めてくれるのでしょうか
こんな大変な展開になるなら超倍返ししたいなんて考えなきゃ良かった...
と、健人の唇に口付けながらそう私は後悔したのだった
あと、実は半分作り話だったことも...ね、
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。