パステルピンクの部屋。
星型のライト。
司の好きな曲が流れるオルゴール。
寧々は、その扉を静かに開けた。
鍵は_____
類が日替わりで変えていたのを、
私が“パターン化”して複製した。
ベッドの上では、
類が司を抱きしめていた。
司の瞳はとろんとして、
腕は類の服をぎゅっと掴んでいる。
類は微笑んでいた。
柔らかい、甘く狂った笑み
声はいつも通り穏やか。
まるで“予想していた”みたいに。
私ただ、
手に持っている銀色のものを
軽く握り直した。
細く、鋭い、折り畳みナイフ。
家の物置で取ってきたもの。
よく手に馴染む。
私は一歩近づいた。
類の立ち位置、
司の体勢、
床の距離、
武器のリーチ、
類の反応速度。
類のパターンは大体わかる。
一歩。
二歩。
ザクッ
その言葉は、
言い切る前に途切れた。
類の体が床に倒れ、
ピンクのカーペットが赤く染まる。
寧々はその上を通る。
足跡が小さくつく。
その瞳には涙も、迷いも、怯えもない。
ただ、愛だけがあった。
歪んでいて、美しい愛。
ゲームなら“リセット”できる。
でもこれは現実で、取り返しがつかない。
司を救えるのは、もう自分だけだと思っていた。
寧々は確かに聞いた。
ゲームオーバーの音が、どこかで鳴った気がした
_____
それからというもの、類がいない世界は、
まるで色を失った。
数ヶ月後。
司は、表向きはいつもの明るい笑顔を貼り付けていた。
だが心の奥はぽっかりと穴が空き、
寧々に何度呼ばれても、返事が遅れるほど“空っぽ”になっていた。
そんなある日。
タッタッタッタッ、…
第二章はここから始まる。
“記憶を失った類”に、再び依存していく司の物語。
そして、寧々とえむは_____
いつか来る“真実のバッドエンド”へ向けて動き始める。
_______________
タイトルが変わりました。
旧:☆の数だけ司に依存していく類くん。
新_____
[ ☆の数だけ再び類に依存していく司 ]
【第1章】[ ☆の数だけ司に依存していく類くん ]
《 完 》













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。