ジョディと言うFBIの女性に向けて銃を構える。
そしてこみ上げてくる気持ちを落ち着かせる。
ぐるぐるぐるぐる、
頭の中でいろんな思考が飛び交っている。
そうだ、普通ならそうするはず
FBI、目的の為なら敵を利用する事ぐらい
朝飯前でしょ?
なのに貴方は何をしているの、
私の瞳から涙があふれる。
あの人はライ兄じゃない………
彼がFBIだと聞いた後、
RAMから彼に関する情報を受け取った。
その書類に書かれていた名前、
私にとっては全く知らない人。
彼は答えずにこちらを見ているだけ、
何か言ってよ、何か!!
キッっとライ兄を睨み銃口を彼へと向ける。
私を殺せなかった貴方がそれを言うの?
皮肉? お前にも殺せないだろうってこと?
勘違いしないで
こっちが殺せないと高を括ってる。
恐らく私が攻撃できないだろうと……
それは貴方でしょ?
「 彼を殺せるの? 」
頭の中で声が響き渡る。
………殺せる。
「 どうして、彼は貴方が大好きな兄なのよ 」
ううん、違う。
あの人は私の兄なんかじゃない。
「 憎い相手? 殺したい相手? 」
「 そうなら、その銃で撃てばいいのに」
それは、まだだ。
私は聞かなければならない、
私のためにもお姉さんのためにも。
「 それは殺せないも同じじゃない? 」
そうもしれない。
でも、殺せなくとも倒す事はできる。
赤井秀一が目を見開き、そして拳を握り締める。
赤井を牽制したままベル姉に話しかける。
ここらで引き上げるのが1番かも
長引いて応援が来たら私たちが捕まりかねないし
蘭先輩達も怪我をするかもしれない、
ベル姉は起き上がり、身体を抱えたまま
コナンを抱き抱え後部座席へと乗り込み
私に変わって赤井秀一に銃を向ける。
そう吐き捨て
運転席へと乗り込み、アクセルを踏んだ。
お兄ちゃんについては私が何とかするしかない。
走り出した車は蘭先輩と哀の横を通り過ぎ
埠頭から遠ざかっていく。
あえて口調を崩し、いつもの様に返す
そのまま組織の話から話題を遠ざけたかった。
国道を走りながら割れてしまった窓を見る。
そんな事は無い、買おうと思えば
入手当てなんて沢山ある。
でも、大切にできないのなら
買わない方がいいと思うから。
反対車線を見つめながら通る車に注目する。
黒、白……赤………また黒、そして青
何台か同じ車も通る。
同じ車種だけど色が違ったり、
色は同じでも中は所有者によって変わる。
そう返事をするけれど
やっぱり愛車は作ろうとは思えなかった。
「 お前に俺を殺せるのか? 」












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!