ばぁうが眉をひそめる。
らぴすは魔獣を見つめたまま答えた。
魔獣は咆哮する。
だが、攻撃よりも前進を優先している…気がする。
らいとも気付いた。
ちぐさが言う。
ぷりっつが地図を確認する。
莉犬は少し考えた。
目的は分からない。
だが、一つだけ確かなことがある。
全員が頷いた。
理由が何であれ。
避難中の地域へ向かわせるわけにはいかない。
莉犬が無線へ聞く。
もう少し。
あと少しで、全員が避難できる。
第七部隊が動いた。
最初に飛び出したのはちぐさ。
強風を纏いながら一気に接近する。
魔獣の視線が動く。
次にらいとの攻撃。
雪原に閃光が走る。
魔獣が体勢を崩した。
ばぁうが飛び込む。
真正面から。
巨大な魔獣の前へ立つ。
能力で使っていた微量の血を流し、血液の匂いで誘き寄せる作戦。
魔獣が反応する。
そして巨大な腕を振り下ろした。
ドォォンッ!!
雪が吹き飛ぶ。
だが。
ぷりっつが動く。
植物の防御壁が攻撃を受け止める。
地面が揺れる。
それでも壊れない。
らいとが笑う。
その間にも。
莉犬は周囲を見ていた。
魔獣。
避難経路。
他の部隊。
その全部を把握する。
莉犬からの指示が飛ぶ。
全員が動く。
迷わない。
聞き返さない。
信じているから。
そして、それは莉犬だけじゃない。
ばぁうも。
らいとも。
ちぐさも。
ぷりっつも。
らぴすも。
全員がお互いを信じている。
だから成立する。
第七部隊の連携。
らぴすが魔獣の横へ回る。
相手の動きを観察する。
重心。
癖。
攻撃の流れ。
そして、気付く。
左足。
らぴすから伝えられたのはそれだけ。
それでも、莉犬は一切疑わない。
次の瞬間。
全員が動いた。
ばぁう。
らいと。
ちぐさ。
ぷりっつ。
そしてらぴす。
攻撃が集中する。
魔獣の動きが止まる。
一瞬。
本当に一瞬だけ。
その隙を。
第七部隊は見逃さなかった。
数分後。
巨大な身体が傾く。
そして。
轟音と共に倒れた。
雪煙が空へ舞う。
誰も動かない。
数秒後。
無線が鳴った。
歓声が上がる。
他部隊。
現地隊員。
全員が喜んでいた。
だが、第七部隊の6人は。
倒れた魔獣を見ながら、そこに立っていた。
らいとが言う。
ちぐさも頷く。
ばぁうが雪へ座り込む。
ぷりっつが呆れる。
笑いが起きる。
その様子を見ながら。
莉犬は少しだけ空を見る。
そして思う。
やっぱり。
第七部隊は強い。
誰か一人じゃない。
6人だから強い。
だからこそ。
あと20日ほどで。
この部隊がなくなるという事実が。
少しだけ信じられなかった。
数時間後。
任務成功の報告が日本中へ流れる。
そしてその報告を見た政府は。
改めて、第七解体の是非について考え始めることになる。













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!