第63話

6人だから
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2026/09/20 10:00 更新
Vau
山…?
ばぁうが眉をひそめる。

らぴすは魔獣を見つめたまま答えた。
Lapis
こいつ、俺らを倒したいわけやないな
魔獣は咆哮する。

だが、攻撃よりも前進を優先している…気がする。


らいとも気付いた。
Light
……まじやん
Tigusa
ずっと山の方を見てるね
ちぐさが言う。

ぷりっつが地図を確認する。
Pretz
進行方向も一直線や
莉犬は少し考えた。


目的は分からない。

だが、一つだけ確かなことがある。
Rinu
止めるよ
全員が頷いた。


理由が何であれ。

避難中の地域へ向かわせるわけにはいかない。
Rinu
現在の避難率はどれくらいですか?
莉犬が無線へ聞く。
mb
『91パーセントです!』
もう少し。

あと少しで、全員が避難できる。
Rinu
もう少し…時間を稼ぐよ
ALL
了解
第七部隊が動いた。


最初に飛び出したのはちぐさ。 


強風を纏いながら一気に接近する。



魔獣の視線が動く。







次にらいとの攻撃。


雪原に閃光が走る。




魔獣が体勢を崩した。
Vau
今ッ!
ばぁうが飛び込む。

真正面から。

巨大な魔獣の前へ立つ。
Vau
こっちに来いよッ!
能力で使っていた微量の血を流し、血液の匂いで誘き寄せる作戦。


魔獣が反応する。

そして巨大な腕を振り下ろした。


ドォォンッ!!

雪が吹き飛ぶ。

だが。
Pretz
通さへんわ!
ぷりっつが動く。

植物の防御壁が攻撃を受け止める。


地面が揺れる。

それでも壊れない。
Light
流石やな
らいとが笑う。
Pretz
当然や
その間にも。

莉犬は周囲を見ていた。


魔獣。

避難経路。

他の部隊。


その全部を把握する。
Rinu
ちぐちゃん右!
Tigusa
了解!
Rinu
らいと2秒後!
Light
任せろ!
莉犬からの指示が飛ぶ。


全員が動く。

迷わない。

聞き返さない。


信じているから。


そして、それは莉犬だけじゃない。

ばぁうも。

らいとも。

ちぐさも。

ぷりっつも。

らぴすも。


全員がお互いを信じている。


だから成立する。


第七部隊の連携。




らぴすが魔獣の横へ回る。


相手の動きを観察する。


重心。

癖。

攻撃の流れ。


そして、気付く。
Lapis
莉犬くんッ!
Rinu
うぇッ何!?
Lapis
左足ッ!
左足。

らぴすから伝えられたのはそれだけ。


それでも、莉犬は一切疑わない。
Rinu
左足狙ってッ!

次の瞬間。

全員が動いた。


ばぁう。

らいと。

ちぐさ。

ぷりっつ。

そしてらぴす。


攻撃が集中する。


魔獣の動きが止まる。

一瞬。

本当に一瞬だけ。


その隙を。

第七部隊は見逃さなかった。


数分後。

巨大な身体が傾く。



そして。

轟音と共に倒れた。



雪煙が空へ舞う。

誰も動かない。  


数秒後。

無線が鳴った。
mb
『対象沈黙確認!』
mb
『避難完了!』
mb
『人的被害なし!』
歓声が上がる。


他部隊。

現地隊員。


全員が喜んでいた。


だが、第七部隊の6人は。

倒れた魔獣を見ながら、そこに立っていた。
Light
終わったな…
らいとが言う。
Tigusa
終わったね
ちぐさも頷く。

ばぁうが雪へ座り込む。
Vau
疲れたぁ……
Pretz
早いわ
ぷりっつが呆れる。

笑いが起きる。


その様子を見ながら。

莉犬は少しだけ空を見る。


そして思う。

やっぱり。

第七部隊は強い。



誰か一人じゃない。

6人だから強い。


だからこそ。


あと20日ほどで。

この部隊がなくなるという事実が。


少しだけ信じられなかった。










数時間後。

任務成功の報告が日本中へ流れる。



そしてその報告を見た政府は。


改めて、第七解体の是非について考え始めることになる。

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