3日後。
第七部隊専用区画。
朝。
珍しく全員が揃っていた。
理由は単純。
本部長から招集がかかったからだ。
しかも。
「必ず全員出席」
という一文付き。
こういう時は大体ろくな話じゃない。
ばぁうが椅子にもたれる。
らいとが笑う。
ちぐさが笑った。
ぷりっつは腕を組んでいる。
らぴすは静かにコーヒーを飲んでいた。
莉犬は時計を見る。
その言葉と同時に。
会議室の扉が開いた。
本部長だった。
だが、その表情を見た瞬間。
6人とも笑うのをやめた。
重い。
あまりにも。
本部長は手に封筒を持っていた。
厚い封筒。
そして、政府の印が押されている。
嫌な予感しかしなかった。
本部長は前に立つ。
数秒、沈黙した。
そして、静かに口を開く。
普段は騒がしい第七部隊が、誰も喋らない。
さらに静かになる。
本部長は一度目を閉じた。
それから、ゆっくり告げた。
部屋から音が消えた。
本当に、何も聞こえなくなった気がした。
ばぁうも。
らいとも。
ちぐさも。
ぷりっつも。
らぴすも。
莉犬も。
言葉が出ない。
数秒。
いや、もっと長かったかもしれない。
最初に動いたのはらいとだった。
小さな声。
本部長が頷く。
ぷりっつが聞く。
本部長は悔しそうに言う。
その一言で十分だった。
本部長がどれだけ動いたか。
全員理解できた。
だが、それでも覆らなかった。
それが現実。
莉犬が聞く。
本部長は答える。
全部聞いていた理由だった。
そして、全部正論でもあった。
だから余計に厄介だった。
ばぁうが頭を掻く。
普段なら大声を出している。
机を叩いている。
でも今日は違った。
実感が湧かない。
そんな感じだった。
ちぐさも苦笑する。
らぴすが言う。
本部長は6人を見る。
そして机に6つの封筒を置いた。
空気がさらに重くなる。
それぞれの新しい配属先や、仕事内容などが記録されている。
まだ開封はしなくていい。
そう言われても気になる。
だが、誰も手を伸ばさなかった。
本部長が続ける。
残り一ヶ月。
その言葉が妙に重かった。
今まで、6人はずっと一緒だった。
訓練も。
任務も。
食事も。
遠征も。
全部。
それが終わる。
終わると決まった。
その事実だけが胸に残る。
本部長が聞く。
少し考えて。
ばぁうが手を挙げた。
一瞬、沈黙が流れる。
そして、本部長が呆れた顔になる。
らいとが頷く。
ちぐさが笑い始める。
ぷりっつも笑った。
らぴすも笑う。
莉犬も苦笑する。
重かった空気が少しだけ軽くなる。
本部長は額を押さえた。
ばぁうがガッツポーズする。
その言葉に。
全員が少しだけ笑った。
最後。
まだ一ヶ月ある。
だけど、確実に終わりへ向かっている。
そんなことを、誰も口には出さなかった。
会議終了後。
6人は食堂に集まっていた。
机の上には、まだ開けていない辞令。
誰も触らない。
らいとが聞く。
ちぐさが答える。
ぷりっつも頷いた。
らぴすは封筒を見つめる。
その先にある未来を考える。
でも、想像できなかった。
第七部隊じゃない自分を。
その時だった。
莉犬が静かに言う。
全員が顔を上げる。
短い言葉。
でも、十分だった。
ばぁうが笑う。
らいとも頷く。
ちぐさも。
ぷりっつも。
らぴすも。
同じように頷いた。
たとえ解体が決まっても。
まだ終わっていない。
第七部隊は。
まだ第七部隊だった。













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。