正式通知から5日後。
第七部隊区画。
不思議なことに。
生活そのものはあまり変わらなかった。
朝起きる。
訓練する。
任務に行く。
飯を食う。
寮に帰る。
いつも通り。
本当にいつも通りだった。
ただ一つ違うのは。
全員がどこかで残り時間を意識していることだった。
ちぐさがカレンダーを見る。
赤ペンで丸が付いていた。
解体日に。
誰が書いたのかは知らない。
でも消されることもなかった。
ばぁうが言う。
らいとが頷いた。
訓練場では今日も模擬戦が行われている。
相手は、大阪を拠点に置く第三部隊。
若手中心の部隊だった。
審判の声。
次の瞬間。
第三部隊が一斉に動く。
かなり良い連携だった。
最近、成長が著しいと聞く。
だが。
莉犬が一言。
その瞬間。
ちぐさが動く。
風を利用して一気に加速。
相手の側面を取る。
第三部隊の一人が慌てる。
そこへ。
ぷりっつの植物壁。
退路を塞ぐ。
さらに。
ばぁうが前へ出る。
血の槍を持つ圧力だけで相手が足を止めた。
らいとの雷の一撃。
試合終了。
開始から30秒も経っていなかった。
観戦していた隊員達がざわつく。
そんな声が聞こえてくる。
第七部隊は聞き慣れていた。
だから、特に気にしない。
ちぐさが戻ってくる。
第三部隊の隊長が苦笑した。
ばぁうが笑う。
突然。
若い隊員が聞いた。
空気が少し変わる。
その隊員は慌てた。
莉犬が答える。
静寂。
若い隊員達の顔が曇る。
その質問には誰も答えられなかった。
正確には。
答えが一つじゃないからだ。
国家の事情。
組織の事情。
戦力の事情。
全部正しい。
全部間違っていない。
だから難しい。
らぴすが笑った。
若い隊員が聞く。
らぴすは少し考えた。
そして。
正直だった。
空を見上げる。
若い隊員は黙った。
その顔を見て。
ばぁうが笑う。
そう、まだ終わっていない。
残り25日。
第七部隊はまだ存在している。
その日の夜。
食堂。
珍しく全員が揃っていた。
らいとが言う。
全員の動きが止まる。
莉犬が呆れた顔になる。
正式通知から5日。
誰も開けていなかった。
ばぁうが言う。
それは全員同じだった。
だから誰も責めない。
その時。
食堂の扉が開いた。
本部長だった。
嫌な予感。
6人同時に思った。
ばぁうが呟く。
全く反省していない声。
本部長は小さくため息を吐いた。
そして、机の上に資料を置く。
6人を見る。
空気が変わる。
最後。
その言葉が重い。
本部長が続ける。
全員の目が変わる。
任務の顔になる。
ばぁうが笑った。
らいとも笑う。
ちぐさが立ち上がる。
ぷりっつは資料を確認し始める。
らぴすもそれを覗き込む。
莉犬は本部長を見る。
その返事に。
本部長は静かに頷いた。
残り24日。
第七部隊最後の任務が始まろうとしていた。













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。