かくして裁判が始まった。
やっぱりそうなんだ…
ナイル団長よりは短い言葉だったけど、するべきことを簡潔にまとめて言った。
まるでエレンは自分達が引き取ることができると確信しているかのように。
エルヴィン団長はどこまで先を見据えているんだろうか…。
報告書は、確かリコさんが書いたものだよね。
ってことは…。
その直後、エレンは私達の方を向いて驚いた顔をした。
ミカサはとっさに右目の下の傷を髪で隠した。
エレンはやっぱり巨人を制御し切れていない時の記憶はないんだ。
ここは審議所だ。
それに私達は公に心臓を捧げた兵士。
嘘をつく事は私達にとってもエレンにとっても良くはない…。
傍聴人達
『ザワザワ…』
個人的感情?ただ私達は事実を話しているだけなのに?
それからナイル団長はなんと、ミカサがエレンの家に引き取られた経緯と、その時2人が誘拐犯を殺害した事まで公表した。
傍聴人
『ザワザワ…』
今は巨人化したエレンに対して、どちらの団に入れるかを話す場なのに、どうして2人の過去まで晒されないといけないんだ。
傍聴人達が根拠もない事を言い始め、ついにはその言葉の刃がミカサにも向いた。
私はこれ以上、彼等の好き勝手を聞いていられず手を挙げた。
すると彼等は静まり返った。
うわぁ…これはエレン、思ってる事全部言っちゃったよ絶対…。
その直後、歯が地面に落ちる音と殴られる音が法廷に響いた。
エレンがリヴァイ兵長に思い切り殴られ蹴られていた。
ミカサが身を乗り出してエレンの方へ行こうとしていた所を、私は咄嗟にミカサの腕を掴んだ。
こうしてエレンは調査兵団預かりという結果になり、閉廷した。
そして壁外調査に備える事となった。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。