1月の冷え込みは、ソウルの夜を容赦なく刺してくる。
今日は1月4日。
スンミンが俺の宿舎に引っ越してきた。
荷解きをひと段落させた俺とスンミンは、
大通りから外れた路地裏にある、
全室個室の酒場にいた。
俺は個室の引き戸を閉めるなり、
座布団の上に崩れ落ちた。
アイドルとしての「リノ」は、
今はどこかに置いておきたい気分だ。
俺は手慣れた手つきで、
テーブルに並んだ焼酎の瓶とビールを手に取った。
黄金比で混ぜ合わせた液体をジョッキに注ぎ、
スンミンと軽くグラスを合わせる。
喉を鳴らして流し込む。
冷たい刺激が胃に落ち、
引っ越しの疲れを少しずつ溶かしていく。
一息ついて、卓上の呼び出しベルを押す。
すぐにやってきた店員に、俺はつまみを注文した。
店員が下がると、個室に再び静寂が戻る。
俺は二杯目のソメクを作りながら、
ふと思い出したことを口にした。
スンミンは運ばれてきたサイダーを
グラスに注ぎながら、少し考える素振りを見せた。
スンミナがニヤリと笑って俺を見た。
その視線に、少しだけ心臓が跳ねる。
俺は照れ隠しにジョッキを煽った。
本来、俺はジョッキ数杯で
どうにかなるような酒の弱さじゃない。
だが、今日の俺はどうもおかしい。
2杯、3杯と飲み進めるうちに、
視界が妙にふわふわと滲み始め、
耳の奥がじわじわと熱くなってきた。
…なんだ、今日。疲れすぎたか?
酒が回るのが異常に早い。
身体が内側から重だるく、
感覚が過敏になっているような気がする。
おまけに、さっきから下腹部が鈍く重い。
そろそろ女性特有の周期が近いせいか。
向かい側に座るスンミンが、訝しげに覗き込む。
ぶっきらぼうに言い返し、
ジョッキを握る手に力を込めた。
だが、スンミンの目は誤魔化せない。
彼は静かに立ち上がると、隣の席へと移動してきた。
俺はスンミンの肩にずしりと頭を預けた。
男同士だったはずの距離感。
だが、今はその肩の硬さや体温が、
なぜかいつもより鮮明に意識されてしまう。
俺は酔った勢いで、スンミンの鼻先を指で突いた。
俺はスンミンの胸板に顔を埋めた。
ヨンボギとの「ノータッチ」な生活とは正反対。
一秒も放っておくつもりはないし、
相手も俺を逃がすつもりはないらしい。
スンミンは俺の腰に手を回し、
自分の方へと強く引き寄せた。
俺の声が、自分でも驚くほど微かに震えた。
自嘲気味に呟いた俺の言葉が、
個室の静寂に吸い込まれていく。
隣で、スンミンの身体が目に見えて硬直した。
俺が恐る恐る顔を上げると、
そこにはこれまで一度も見せたことがないほど、
顔中を真っ赤に染めたスンミンがいた。
俺の指摘に、スンミンは慌てて両手で顔を覆った。
指の間から覗く瞳は潤み、
激しい動揺と爆発的な歓喜が混ざり合っていた。
スンミンは俺を折れそうなほど強く抱きしめ、
その首筋に顔を押し当ててきた。
俺は真っ赤な顔で顔を背けたが、
スンミンの手は決して俺を離さなかった。
新居に向かう帰り道、手を繋いだまま歩く。
俺の、そして俺たちの、
これから始まる奇妙で熱い新生活が、
暗い夜道の中に淡く光っているような気がした。
Continued.
『俺、朝起きたら女でした』の続編を始めることにしました🙌
今までは大体3000字くらいまで書いてたんですけど、
続編では"短編集"としてあまり気にせず楽しく
書いていきたいと思います!!😊
女体化や妊娠・出産の話題など、デリケートなお話もあるので、
続編はフォロワー様限定にさせていただきました💦
🔞を書くかは未定ですが、
取り扱うテーマを踏まえてあらかじめ🔞設定にもしてあります。
ご了承ください🙇
ではまた続きを読んでもらえると嬉しいです♡













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!