ん…なんだこれ……
視界が曇っていて、
焦点が定まらない感覚がする。
……私、何してたっけ…?
言葉が発せられない、というか
呂律が回っていないに
近いのかもしれない。
顔が真っ赤?なんで?
はっきりしない意識で
辺りを見回すと
テーブルの上に空のグラスが
散乱している。
3人から発せられる言葉も
いまいち理解できない。
…星導さんが
頼んだお酒を飲んだら……こうなった?
自分でもびっくりするくらい
言葉が出てこない。
まるで
言葉を知らない赤ちゃんに
逆戻りしたような気分だった。
……緋八さんも怖い。
さっきまで優しくて可愛くて
キラキラしてたはずなのに、
今では不気味なほど口角を吊り上げて
私に近づいてきている。
逃げなきゃ、
こんなところいちゃだめ。
暗闇のような底知れない深い恐怖が
私の心にまとわりついた。
……帰りたい、
お願いだから帰らせて。
その一心で
私は席を立った。
でも立った瞬間
頭に鈍い痛みが走って
足元がふらつく。
足がもつれて、
緋八さんの方へ倒れそうになる。
それを見逃さなかった緋八さんが、
私の腕をぐっと引っ張った。
緋八さんの足の上に乗せられたあと、
横から腕がにゅっと伸びてきて
逃すまいと
がっちりホールドされてしまう。
明らかに
不機嫌オーラを醸し出す星導さんに
見向きもせず彼女はそう答えた。
その瞳はただ1人、
私のことだけを映している。
………あぁ、
もうわかんないや。
メロい女の子好きだ…
新作です!何卒!













編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。