「 わーっめっちゃ景色いいよ! 」
『 ん、ほんとだ 』
「 こっちの部屋はどんな感じかなーっ 」
旅館ではしゃいでる彼女はまるで子供みたいで。
俺は思わず笑顔になる。
「 ね、浴衣着替える? 」
『 え、俺はいいよ 』
「 だーめ、意地でも着させるんだから 」
『 なんで 』
「 こーゆーの、夢だったんだよねーっ 」
『 意外に乙女だね?笑 』
「 意外にってなによー 」
『 なにも?笑 さ、着替えようか 』
「 いーよっていうまで来ちゃダメだからね? 」
『 分かってるよ 』
「 ほんとにだめだよ? 」
『 はいはい 』
「 い、いーよ 」
『 じゃあ、入るよ? 』
「 や、やっぱりだめ! 」
『 ごめん、もう手遅れ 』
俺がふすまを開けた先には火照った頬を
手で仰いで冷まそうとするあなたが。
『 あなたって浴衣似合うよね 』
「 蓮こそ、、めちゃくちゃかっこいいよ 」
『 ありがと?笑 』
「 私たちって和の方が合うのかな笑 」
『 じゃあ時代引っ越さないとじゃん 』
「 そしたら出会えてないかも 」
『 たしかに 』
「 出会いってほんとに奇跡だよね 」
『 何、急に 』
「 んーん、なんにも? 」
さ、卓球しに行こーっと玄関に向かうあなたは
やっぱり綺麗で。
どの時代に出会っててもきっと好きに
なったんだろうななんて思ったりして。












編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。