⚠︎ネタバレ注意⚠︎
入口には警備の者が立っているが
自動車の窓から私が顔を出せば
特にお咎めはなく入れる
車を適当なところに停めて降り
二人で正門を目指して歩き出す
背後からかけられた声に
私は不機嫌そうに返す
彼女は少し迷ってから
去っていく五道に軽く頭を下げた
それから五道以外には誰にも出会うことはなく
正門から一歩、街へ踏み出せば
自動車で通り過ぎていた時には聞こえなかった
喧騒が耳に飛び込んでくる
西洋風と和風がごちゃ混の
ごみごみした街。
背の高いモダンな建物がたくさん並び
活気のある道路は人で溢れかえっていた
春から初夏へ差し掛かるこの時期の陽気は
ほどよく散策にはもってこいだった
華やかな格好をした人々が行き交う様子や
そばを通る路面電車
色々な物珍しい店や施設
どれも彼女には新鮮なのだろう














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。