本当に僕が消えるその日まで。
君にたくさん伝えておきたいんだ。
誰にも言えない古傷が痛んだら、
決して気づかないふりをしちゃいけないからね。
大切なものが増えてゆく。
このままね、離したくないのに。
形在る総ては、いつかは必ず亡くなるみたい。
出遇えた歓びも、いつかは薄れて消えてゆくらしい。
とてもじゃないけれど、僕には、
どうしても耐えられそうにはない。
遠く離れてもここにいるよ。
誰かが君を忘れても。
僕は何処へも行かないよ。本当だよ。
君が忘れる日が来るまで、僕は生き続けるよ。
壊れたこの羽で、泣いてる君の元へ飛んでゆこう。
僕はこの砦で、誰か来てくれるのを待っている。
とてもじゃないけれど、寂しくて、
どうしても耐えられそうにはない。
人はもうこの大地で、
数えきれない嘘や偽善の澱みを観てきた。
心を見せられないけど「誰かに愛されたい」
疲れたこの脚で、どこまで歩けるか試してみたい。
あの川のほとりで、汚れた体を洗い流して。
いつかは亡くなって、
誰かの一部になれなかったとしても。
今日のこの倖せだけは。
何にも変えられない奇跡だと、素直に思える僕がいる。
悲しみの果てに何が待ってる?
あの橋の向こうで、君を待ってる。
Part of me/Mrs. GREEN APPLE
ウォルへ
あなたとは遠く離れてしまったけれど、私はずっと一緒にいるわ。
だって、あなたが私を忘れるまでは、きっと生きていられるもの。
てことは、ずっと一緒ってことよね!
だってウォルが私を忘れるなんて、有り得ないでしょう?
あなたは優しい人だから。
シリルのことも、私のことも、きっといつまでも引きずると思う。
でも、いずれそんな古傷が傷んだら、気づかないふりをしてはだめよ。
あなたにはメリアもいる、先生もいるでしょう?
私は、先生に出会ってから、大切なものがどんどん増えていったわ。
だから本当は、それを離したくはなかった。
でもね、人はいつか死ぬものよ。
それが少しだけ予想外に早かっただけなの。
シリルを恨まないで欲しい。どうか。
婚約しているあなたに言うのは少しおかしな話かもしれないけれど、今でも思ってるの。
シリルを愛せたらどれほどよかっただろうって。
だって、あなたはずっと私のことなんて恋愛対象ですらなかったんでしょう?
それでも私はあなたを愛した。
きっと神様が決めていたのよ。
ウォルを愛するのは、必要で、大切なことだからって。
シリルはきっと、人よりたくさん、小さい頃から嘘とか、偽善とか、そういうのを見てきたんだと思うの。
だからね、彼はただ愛されたかっただけなのよ。
私だけじゃなくて、あなたとか、世間とか、先生とか。
それを、素直に話せなかったんだわ。きっと。
シリルの逆境は計り知れないし、あなたにこれから降りかかる試練も、計り知れないわ。
でもね、忘れないで。
私はずっとあなたのそばにいる。
見えなくても、きっとあなたはわかってくれるはず。
結婚式も挙げられなかったし、あなたとは指輪だけで繋がった関係だったけれど、私のこの気持ちは永遠よ。
身を呈して私を守ってくれた両親は、怒るかもしれないわね。
でもいいの。
だって私、この上なく幸せなんですもの。
18年間、辛いこともたくさんあったわ。
でもあなたと、シリルと、メリアと、先生に出逢えたから、とっても幸せだった。
幸せなことの方が多かったのよ。
小さな小さな積み重ねだったけれど、毎日あなたたちと一緒にいて、笑ってばっかりだった。
勉強も、運動も、魔法も、絵も、恋もした。
満足なの。
もうなにもいらないの。
だから、どうかあなたには気負わずに生きて欲しい。
きっとあなたもいつかは亡くなってここにやってくるのでしょう。
でも、あと100年は許さないわ。
私、忍耐は得意ですもの。ずっと待っていられる。
だから、どうかゆっくり、たくさん笑ってから来てね。
愛してるわ。
あなたのあなたのfirst nameより
追伸 天国では、あなたのfirst name・バイガンって名乗ることにするわ!













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。