参照___42巻
20年前___
アメリカのとある豪邸
幼い少女が自分よりも背の低いエラに尋ねた
センター分けのショートカットがよく似合っている
エラは帽子を深く被り直した
エラは片方の口端を持ち上げ気味悪く笑った
いつもの子供フリはどこへ行ったのか
エラは真剣な表情でジョディを見つめた
これから何が起こるのか悟ったように
ガタンッッ
上の書斎から物音がする
そこにはジョディの父親がいるはずだ
書斎に着いたジョディは部屋にいる知らない女性に聞いた
帽子をかぶった真っ赤なリップの女
その女はジョディの父親のメガネを握っていた
当の父親は後ろでぐったりとしている
女は唇に人差し指を当て、色気のある声色で言った
そして女は外へ出ていった
黒ずくめのバックを抱えて
エラは扉の後ろに隠れ、二人の会話をそっと聞いていた
女が去った後、出てきてジョディに話しかける
純粋で何も知らない明るい子供
"私もこんな風になれたら"
エラはふと、そう思ってしまった
子供でいるはずなのに、心はずっと闇を知ったどす黒い海
ずっとずっと、沈み続けているようだ
その後、ジョディが家を出たあと何者かが放火し、何もかも灰にした
FBIの捜査官としてジョディの父が秘密裡に集めた
世界的犯罪組織の捜査資料と共に
現在___
エラは自室でオレンジジュースを飲んでいた
隣でバーボンが執事のように立っている
エラは焦った
こんなに早く実行するとは思ってもみなかったから
バーボンは眉をひそめた
エラがこのような発言をするということは
"出かけるから着いてくるな"
という、合図だ
しかしバーボンは直ぐに表情を戻した
参照___42巻file7〜
灰原 哀? side___
ピンポーン
ピンポーン
ピンポーン
灰原哀は玄関に向かいながらカーディガンを羽織った
作戦が開始されたのだ
ガチャッ
扉を開けると予想外の人物が不敵な笑みを浮かべていた
咄嗟にドアを閉めようとする
グッ
しかし、ドアノブを引く力も虚しく
ドアは大人の力によって止められた
ガッッ
その女性は高校教師「ジョディ・サンテミリオン」だった
何を企んでいるつもりなのか、、、
得体の知れない満面の笑みに冷や汗をかく
黙っていると後ろの固定電話に留守電が入ってきたらしい
あなたの声がノイズ混じりで聞こえた
"初めて聞く"、、、焦った声だった
そしてジョディと手を繋いだ灰原哀は博士の家から出た
バンッ
後ろで見ていた車の中の新出は
焦ったように首を傾げた
灰原はバックミラーに視線を向けた
新出先生の車がすぐ後ろに迫っている
カァァァァン
2台の車が空港で叫び声をあげる
ジョディの車と新出の車だ
ギャウッ
ギャッギャッ
キッ
バンッ
止まった2台の車からジョディと新出が降りる
灰原は2人をじっと見つめていた
𝙉𝙚𝙭𝙩 ︎ ⇝














編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。