第5話

𡔉
3,036
2021/12/27 13:03 更新
黒川
黒川
はぁ……
あの頃の記憶は鮮明に覚えている。
恐らくこれから死ぬまで忘れることは無いだろう。
黒川
黒川
………
真一郎にあの蹴りは少しやりすぎたかもしれない。
けど佐野万次郎……いや、マイキーを俺は恨んでる。
だってシンイチロウはマイキーを選んだのだから。
俺だけのお兄ちゃんでも無く、イザナのお兄ちゃんでもなかった。

何処の馬の骨かもわからねぇ野郎に奪われた。
まぁ、血も繋がってないから奪われたもクソもないんだが。

反吐が出る。
やはり血縁関係が無いと意味が無い。
俺にはイザナと鶴蝶だけだ。鶴蝶は下僕だが。
そんな俺のマイキーへの心情もアイツは察してる筈だ。
それなのにあの名前を出した。やはり俺は悪くない。アイツが悪いな。
時刻を確認する。
朝4時。けれど10月下旬の事もあり辺りはまだ暗い。

そろそろ帰るか。
???
おはようございまぁす♡
ベンチから立ち上がると
ふと近くから甘い声が聞こえた。
???
ちょっ、兄貴!!歩くの早い!!
???
ごめんって、けど遅い竜胆が悪くね?
灰谷 竜胆
えぇ…暴論すぎね……
さっさとボコって帰ろうかと思ったが
散々調べ尽くした名前が聞こえ、その拳を止める。

灰谷竜胆。イザナの部下だ。
ということは隣のヤツは……
灰谷 蘭
改めてどうも、蘭ちゃんで〜す。
灰谷蘭。やはり当たりだ。

そうと決まれば一芝居打とうじゃないか。
少し咳をしてから話しかける。
黒川
黒川
……俺になンか用ですか。
灰谷 蘭
いやぁ?
ちょっと前にオレらのシマで暴れてるやつがいるって聞いてねぇ?











…あぁ、路地裏を走り回っている時に絡んできた輩だろうか。
真一郎と喧嘩して腹立ってたこともあり、少しやりすぎたかもしれない。
黒川
黒川
あぁ、俺だ。
灰谷 竜胆
!!、案外あっさり白状するんだな。
黒川
黒川
まぁ、言い訳しても仕方ない。
灰谷 蘭
それで、オレらのシマで暴れたってことは…意味わかってる?
勿論、知っている…が。
俺は面倒事が嫌いだ。ここは回避しておきたい。

それにここでイザナの部下に怪我をさせるなどお兄ちゃんの名が廃る。
しかも変に抗争でも起こしてみろ。
下手したら灰谷兄弟の部下を殺して少年院に入るかもしれない。そんなのは御免だ。
黒川
黒川
済まないが喧嘩は遠慮しておきたい。
少しした事情で面倒ごとは起こしたくなくてな。
灰谷 蘭
あぁ……そしたら
灰谷 竜胆
代わりにナニ差し出すか分かってるよなぁ?
反応的に俺が良いとこのお坊ちゃんで
親に内緒で不良してるとでも勘違いしてるのだろう。

灰谷兄弟も昔はそのような家庭環境だったはずだ。
理解しているのだろう。都合よく勘違いしてくれて助かる。


まぁ、そのように勘違いしているのであれば代わりのモノは察せるであろう?
黒川
黒川
…………
灰谷 蘭
あぁ、そういえばもう少しで東卍とバルハラの抗争があったなぁ?
俺、その抗争見に行くために付けて行きたいネックレスあったんだよなぁ♡
灰谷 竜胆
兄貴、俺新作の靴欲しいなぁ?
灰谷 蘭
靴かぁ。竜胆は靴集めが趣味だもんなぁ
2人のことは調べ尽くしたので、そんなのは嘘だと分かっている。
………だが、こればかりは致し方ない。あいつらの要望を聞こう。
黒川
黒川
……いくらだ。
灰谷 蘭
ざっと200万♡
灰谷 竜胆
意外と値切ったんだぜ?
アイツらも自業自得だってわかってるからな。
それなら来んなよ。と言いたいが貯めておく。俺はお兄ちゃんだから。

…確かポケットの中に300万ぐらいあったはずだ。
俺は服のポケットを探る。

そしてベンチの上に手当たり次第金をのせていった。
灰谷 竜胆
おぉ……ポッケにそんな大金入れてるやつ初めて見たワ。
灰谷 蘭
ウケる、盗られるとは思わなかったんだな‪w
黒川
黒川
大体300万程ある。
この中から100万抜くのも面倒臭い。全部もってけ。
灰谷 蘭
太っ腹〜。
灰谷 竜胆
いやなんでこんな大金持ち合わせてんだよ。
持ってなかったらボコってたけど。
黒川
黒川
知らねぇ。
なんか知らねぇヤツが近寄ってきて
???
おぢさん、ずっと君の事見てたんだ♡
えっと、この間の黒髪のことお幸せにね♡
???
良かったらおぢさんにヤったかヤってないかだけ…
黒川
黒川
って気持ちわりぃこと言ったから殴った。
ンで、それはそのジジイから奪った金。殴っても嬉しそうだった。気色悪ぃ。
灰谷 蘭
うげぇ……
灰谷 竜胆
あー、俺のとこにも来たぜ。兄貴とヤる訳ないっての。
その時は10万だったけどな。
灰谷 蘭
マジかよww
どうやら灰谷の弟の方にも来ていたようだ。
最近、変態が増えていて鶴蝶や弟が心配だ。やられるタマじゃないだろうが。




すると灰谷兄弟がこちらを向いてくる。
いつの間にかベンチの金はなくなってる。財布にでも入れたのだろう。
灰谷 蘭
ん、じゃーね。お兄さん♡
灰谷 竜胆
もうオレらのシマで暴れんなよ。
黒川
黒川
あぁ、勿論だ。
2人が去っていく後ろ姿を眺める。
…やはり兄弟というのは良い。2人のお陰でより実感できた。
黒川
黒川
……俺も帰るか。
だが、真一郎のせいで俺が六本木で暴れてしまったから
実質真一郎が悪い気がする。後で飯でも奢らせよう。







































コメント
主
一応灰谷兄弟と喧嘩させようか迷ったんですが
黒川はお兄ちゃんの理想像に依存してるのでイザナの部下に手出しはしなさそう…
と思い、喧嘩はやめておきました。
主
次回はいよいよ血のハロウィンです!!
いやぁ、書き直し前は場地さん生存√なのですがどうしましょうか…
主
それではお楽しみに〜。

プリ小説オーディオドラマ