新入りふたりが雪城と会話しているのを見届けた後 そのままの足で彼のところに向かった。
報告を受け 開いていた本をパタンと閉じた。
雪城さんと別れた後 俺とのまはソフィアさんを探していた。
探検も兼ねて歩き回っていると 第1訓練場にソフィアさんの姿があった。
構えた双剣を下ろし振り返ったソフィアさんに 俺とのまは頭を下げた。
「じゃあ早速始めようか」と言いかけたところで走ってきた誰かがソフィアさんに抱きついた。
折れる気配のないアリシアの要望で 俺とのまはアリシアと戦うことになった。
ソフィアさんの声を合図に俺はアリシアに向かって駆け出した。
俺が持っているのは訓練用の双剣。
のまは模擬刀でアリシアはペイント弾。
右手で斬りかかった俺の攻撃を余裕綽々と交わしたアリシアは そのまま俺の脇腹にペイント弾を放つ。
それを水の惑星でなんとか防ぎ体制を立て直す。
その隙にのまが背後から斬りかかるも 容易に交わされそのまま蹴り飛ばされた。
小柄な体格故にそこまでの威力は無いが 的確に鳩尾を蹴られている。
たった十数秒の攻防で差は歴然だ。
趣向を変えながら何度か斬りかかった。
しかし 俺達が退けられるばかりでアリシアには触れられてすらいないし 手加減されている始末だ。
俺は水の惑星を発動した。
のまも身体強化を発動し アリシアの方へ駆け出していく。
俺が水の惑星を発動した目的は 自分の防御じゃなくて
部屋中に広がっていく水が 縄のように形作ってアリシアの腕を拘束していく。
水に浸っている脚も 容易に動けはしなかった。
銃を捨て ポケットから訓練用小型ナイフを取り出し 拘束を斬ろうとするも 柔らかすぎて斬ることが出来ない。
そのまま のまに斬られる。
右手を繋いでいる水が黒いナニカに呑み込まれるように消えた。
そしてそのまま ナイフをのまの首に当てる。
終わりの声が響いた。
気付けば1時間以上経っていて
部屋を膝まで満たす勢いで個性を使った俺も
常時全身に個性を発動させて走り回ったのまも
疲れが溜まってこれ以上動けそうにはなかった。
そんな爽やかで仄かな甘みと苦味を含んだ檸檬色の声を聞きながら訓練場を出て医務室に向かった。
ちなみに社さんには
と呆れられた。
すんません。


















編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。