第86話

ピアニッシモ街
885
2024/05/08 11:00
シクフォニ
や、やっと着いた……
ダ・カーポ平野を出発して二日後。
六人は、ヘトヘトの状態でピアニッシモ街に着いた。
いるま
ごめんみんな……
LAN
いや、いるまは悪くないよ……
何があったのか、というと。
まぁ、端的に言えば道に迷ったのである。
いるまが近道だと通った森がすちの家があるラルゴ森林と似たような呪いがかけられた森であり、さらには魔物まで襲い来る始末。
本来一週間近く迷う森を二日で脱出できたのは、暇72とすちがやや強引に森を開いたからである。
強引に、というのは、風や炎で薙ぎ払ったのだ。
LANが森と会話を試みたが、向こうが会話を拒んだ。
なので、仕方なく、あくまで仕方なくの武力行使だ。
いるま
前通った時は呪いなんかなかったんだけどなぁ
すち
原因はわからないけれど、森が自衛のために呪いを発動させることがあるみたいだね。ラルゴ森林もそうだし
暇72
ラルゴ森林で迷った時はマジで終わりだと思った。魔法も使えねーもん
LAN
そういう呪いなんだっけ
すち
うん。俺と、俺が認めた人物以外は魔法が使えなくなる。あと、俺以外自由に出入りできない
こさめ
そんな呪いかかってたの⁈
みこと
ラルゴ森林の噂って本当なんや……
六人は街を歩きながらそんな話を繰り広げる。
ふと、みことが街の人の視線に気づいた。
みこと
……なんか、やけに見られてる気するんやけど
五人
え?
言われてみれば、確かに街の人達がじろじろと少し嫌な視線で見てくる。
こさめ
んー、こさめの剣のせいかな
背中に担いだ大剣をこさめが撫でる。
武器の大きさを固定しているこさめの大剣は平和そうな街では嫌でも目立つ。
暇72
それか、この服かもな
暇72は自分の服をつまむ。
暇72
騎士装束にマントもしてりゃ、自分は兵士ですよーって言いふらしてるみたいなもんだろ
LAN
え、早く言って⁉︎
みこと
父様……魔王倒したら怒んないと
すち
(みことちゃんがちょっと怒ってる……)
いるま
一旦、街から出るか?
六人が引き返そうとした瞬間。
街の人
……待ってくだされ、騎士様
しゃがれた声に、全員が同時に振り返る。
そこには、杖をついた背の低い老爺がいた。
LAN
あ、えっと、俺達は騎士じゃなくて……
街の人
では、冒険者様でしょうか
LAN
えーっと、うーん……
LANが困ったように頬をかく。
勇者や救世主と言っても、信じてもらえないだろう。
LAN
まぁ……冒険者? みたいな感じですね?
街の人
左様ですか。それでは、冒険者の皆様にお願いがありまする
老爺はそういうと、老人とは思えない動きでガバッと勢いよく頭を下げた。
街の人
どうか、この街を救っていただけないでしょうか!
シクフォニ
……え?
いきなりの言葉に、全員がポカンと口を開ける。
シクフォニ
えええええええええ⁉︎
主(奏唄)
どうも、奏唄です!
主(奏唄)
さあ、なんか変な展開になってまいりました!
主(奏唄)
そして特に書くこともないッ!
シクフォニ
おつふぉにー!
主(奏唄)
そして、『ライ』様、『竜鬼』様、『名無し』様、『梅干し』様、『Y』様、お気に入りありがとうございます!
『ライ』様、『竜鬼』様、『名無し』様、『Y』様、フォローありがとうございます!

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