第14話

#14
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2025/02/06 09:00 更新
『もう帰っちゃうの?』

「うん、授業終わったし…」

『そっかあ、』

「授業終わったら連絡して、またカトクしよ」

『うん!』



あくまで前髪を崩さないように後髪を撫でて、
もう一度僕の腕に閉じ込めて額にキスを落とした。

昨日は自分からしたくせに、
僕からされると照れてしまうところもかわいい。



またね、と言葉を交わして大学を後にする。



ヨンジュン、帰ってきてるだろうか。



ヨンジュンと飲もうと思って詰め込んだビールが
袋の中でガサゴソと音を立てた。



「ただいま〜」

“Hi♡”

「帰ってきてんだ、今日はどこ行ってたの?」

Top secret♡内緒

「は、だる笑」

What's those?なにそれ

「あー、ヨンジュンと飲もうと思って。」

「ビール飲む?」

“Yes!!!”



ビール好きなんだ…と思いながらリュックを寝室に置いて、
ついでにラフな私服に着替える。

こんな昼から酒なんて、僕も酒好きだなあ、なんて思いながら
リビングのソファで缶を開ける。

ドカッと横に座ったヨンジュンと缶を近づけて、



Cheers!!!乾杯

「…〜っぷはぁ!!」

Awesome…最高

「お前ビール好きなんだね、いい飲み仲間になれそうじゃん」

I'm telling you, I'm a stronger drinker.言っとくけど俺の方が酒強いからな?

「へえ、飲める口なんだ」



うん、やっぱりなんだかんだこいつの存在、いいかも。

こうやって、じんわりじんわりと僕の心は埋まっていく。



それからは、ビールを片手に、
さけちーやジャーキーを片手に、
面白くもない番組やドラマや映画のチャンネルを
くるくる回しながらどうでもいい話をヨンジュンとした。

この女優さん演技上手い、とかこの歌手表現力やばくね?!とか、
あの芸人さん俺会ったことあるんだよ、とか。



ほんとにどうでもいい、くだらない話。



この年になるとそんなことを共有する友達は
だんだん減ってきてしまって、
…ああ、そういやこの部屋に誰かがこんなに長時間いるのも
初めてに近いかもしれない。



「…あ、授業終わったって」

“?”

「あなたからカトク来た、今から坂の方行けば会えるかな」

Your girlfriend?お前の彼女?

「そう、会ってみる?」



そうだ、この前結局あなたはヨンジュンと会えなかったんだし。

そうと決まったら、と2人で靴を履いて扉を開けた。

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