第43話

あわよくば……
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2020/10/12 11:56
*あなたside



そして、あっという間に梟谷のセットポイントになって試合は終わった



試合が終わった瞬間、向こうのセッターがこっちにやってきた



黒尾「どーした、赤葦」



「ちょっと、この子借りていいですか?」



その人は私を指さした



あなた「え、私!?」



「はい、あなたです」



黒尾「……ここじゃ話せねーの?」



「まぁ、できなくはないですけど……」



クロくんは私をぐいっと引き寄せた



黒尾「うちのマネージャーなんでね、主将の俺を通してくださーい」



「まぁいいです…俺、赤葦京治です」



あなた「あ、空井あなたです」



赤葦さんは無表情のまま話し始めた



赤葦「木兎さんをあんなに早く復活させられる人初めて見ました。ちょっと色々聞きたいんで連絡先教えてくれませんか?」



私が口を開こうとすると、クロくんが手で私の口を覆った



黒尾「悪いけど、諦めてもらおーか」



赤葦「黒尾さんには聞いてないです」



バシバシクロくんの腕を叩くと、渋々離してくれた



あなた「ぷはぁ……いいですよ!」



赤葦「ありがとうございます」



黒尾「ちょっと、あなたちゃーん?よく知りもしない人に連絡先なんて教えるもんじゃないでしょー?」



クロくんは私の顔を上に向かせてそう言った



あなた「同じ梟谷学園グループだから、また会う機会ありそーだし、良くない?それに、昨日だって烏野の人と交換したよ?」



そう言うと、クロくんはじーっと私を見た



黒尾「本音は?」



あなた「……あわよくば、梟谷の情報が欲しい」



逃げられないと思い、私はそう言った



黒尾「はぁぁ……このバレー馬鹿……」



あなた「だめ……?」



今度は私がじーっとクロくんを見つめた



黒尾「……しゃーねーな」



そう言って、クロくんは私の顔から手を離した



あなた「そんなわけで、交換しましょ!!」



赤葦さんに向き直り、そう言った



黒尾「さっきの会話、全部聞かれてるからな」



あなた「もちろんわかっています!その上での開き直りです!」



赤葦さんを見ると、少し表情が緩んだ気がした



赤葦「はい、しましょ」



そこにかおりさんと雪絵さんも来て、2人とも連絡先を交換した




そうして、梟谷は自校へと帰って行った




そのあと、今日は早めに部活を終ることになった



あなた「やっぱ、木兎さんすごかったなー!!」



片付けをしながら灰羽と話していた



灰羽「お、俺もすぐにあんな風になるし!!」



灰羽は木兎さんに対抗するようにそう言った



あなた「まず君はレシーブです。」



夜久「もっと言ってやれー!」



モップがけをしている夜久さんがそう言った



灰羽「夜久さぁぁん!!酷いっすよぉぉ!!」



山本「リエーフ、うるせぇぇ!!」



黒尾「お前もうるせぇ」

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