第2話

第二章端緒
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2024/05/19 13:42
目黒蓮
知らないベルの音だ。まどろみの中、そう思った。目覚まし?でも、俺はまだ眠いのだ。昨夜絵を書くのに夢中になっていて、ベッドに入ったのは明け方だったのだ。
松村北斗
「……くん……蓮くん
目黒蓮
今度は誰かに名前を呼ばれている男の声…男?
松村北斗
「蓮くん蓮くん」
目黒蓮
泣き出しそうにて、切実な声だ。遠い星の瞬きのような寂しげに、震える声。
松村北斗
「覚えて、ない?」
目黒蓮
その声が、不安げに俺を問う。でも俺はお前なんて知らない電車が止まり、ドアが開くそうだ。電車に乗っていったんだそう。気づいた瞬間。俺は真人電車の車両に立っている。目の前に見開いた瞳がある。まっすぐおれを見つめている。彼その制服姿だったが、降車の乗客に押されて、俺から遠ざかっていく
松村北斗
「名前は北斗!」
松村北斗(目黒蓮)
彼は操叫び、髪整えていた紐をするりとほととぎ差し出す俺を、思わずその手を伸ばす。薄暗い電車に細く咲き込んだ夕日みたいな鮮やかなオレンジ色人、ゴミをに体を突っ込んで、俺はその色を強く掴む。そこで目を覚めた。彼の声その残響、まだつと鼓膜に残っている……北斗?
知らない名で知らない男だった。なんだかすごく必死だった。涙がこぼれる寸前。瞳を見たことのない制服。まるで宇宙の運命をのように知るやつで深刻な表情だった。でも、まぁただの夢だ意味なんかなもうどんな顔だったかも思い出せない。細くな残響もすでに消えている。それでも俺の鼓動はまだ異常に高なっている。奇妙に胸が重い。全身汗ばんでいるとりあえず俺は息を深く吸うすーつ「……?」風邪か?鼻と喉には違和感がある空気の鳥道がいつもより少し細い胸が奇妙に重いなというか、物理的に重いのだ。俺は自分の体に目を落とす。そこには胸の谷間がある。胸の谷間がある。「……?」その膨らみに朝日が反射紳士、白い肌なめらかに光っている。2つ目の胸の間は、青く深影が湖海のように止まっている。触ってみるか。俺はトントンもりんごが地上に落ちるみたいに、ほとんど普遍的に自動的にそう思う。…………。……………。……?
…!俺は感動してしまうとなんだ。これはなんていうか男の体ってすげえな……。
「……お兄ちゃん、何しとるの?」
松村北斗(目黒蓮)
ふと、恋の方向を見ると、小さな男の子が普通間を開けて立っていた。俺は胸に手を当てたまま素直な感想を言う。
「いや、すげえリアルだなぁって……。え?」改めて男の子を見る。まだ10歳位かツーブロックで、釣り目がちの生意気そうな子供だ。
お兄ちゃん?
松村北斗(目黒蓮)
俺は自分で指を差しその子に通って言う事は、こいつは俺の妹かその子は呆れたような表情で言う
なにね、ボケとんのご飯早く来なさい
松村北斗(目黒蓮)
ピシャリ!つけるようにスマを閉められる。何か凶暴そうな男児だなぁと思いながら、俺は布団から立ち上がる。そういえば腹も減っていると視界の隅の今日、鏡台に目が止まる。畳の上を何歩歩き、鏡の前に立ってみる。ゆるい。パジャマを肩からずらすと、それはパサリと床に落ち、俺は裸になる鏡に映った全身をじっと見つめる寝癖で、所々飛び跳ねた黒く長いウルフヘアーみたいな髪小さな埋まる顔にものを問いたな大きな瞳。どこが楽しげな口形の唇、細い首と深い鎖骨おかげさまで、健康に育ちましたと、主張しているかのような胸のちょっとした膨らみ、うっすらと浮かぶ肋骨の影そこから続く柔らかな腰の曲線まだ俺は生で見たことないけど、これは間違いなく男の体だ。男俺が違う男?突然に、それまでぼんやりと体を覆っていたまどろみが腫れ渡る頭が一気にクリアになって一気に混乱する。そしてたまらず俺は叫んだ。
お兄ちゃん、遅い
松村北斗(目黒蓮)
引き戸を開けて、今に入ると、港の攻撃的な声色が飛んできた
松村北斗
明日は私が作るでね。ごめんの代わりに私はそういうこの子はまだ入試も全部入り変わっていない。子供のくせに、あのよりも自分の方がしっかりしていると断じている星がある。謝罪などをして弱みを見つけないわと思いつつ、私のカバンを通販器を上げ、ピカピカとして白飯を自分の茶碗に盛り付ける盛りすぎか。まぁいっかいただきます。剣とした目玉焼きにソースをたっぷりかけてご飯と一緒に口に入れる。おいしい幸せかも。こめかみあたりにやたらと視線が今日は普通やなぁ。気づけばおばあちゃんがご飯を噛む。私をじっと見つめている。
昨日はやばかったもんなぁ
松村北斗
と、港もにゃにゃと僕を見つめる
突然、悲鳴あげたりしてなぁ!
松村北斗

悲鳴、怪しげなものを見聞するようなおばあちゃんの自然に馬鹿にしているに違いない。港のニヤ付き
え、何何何なんよ
なのよ。2人揃って感じ悪い。
ピンポンパンポン
1つの暴力的な音量でカモ井に設置されたスピーカーが鳴る皆様おはようございます。その声は親友の樹のお兄さん(町役場地域生活情報課勤務)である。ここ糸森町は人口1500人のしょぼい小さな街だけに大抵な人は知り合い、あるいは知り合いの知り合いの知り合いなのだ。糸町から朝のお知らせです。
松村北斗
スピーカーから流れる言葉は糸森町から朝のお知らせですと文節を切ってゆっくりとゆっくりと読み上げられる。スピーカーは町中の屋外に設置されているから、放送は山山に反響して臨床のように重なっていく毎日朝夕二回欠かさず町中に流れる防災無線放送だ。町内どの家にも必ず受信機があって、運動会の日程だとか、行事の当番の連絡とか、昨日は誰が生まれたとか、今日は誰のお葬式だとか、町のそういうイベントを日々に過ぎにアナウンスしてくれるのだ。来月20日から行われる糸森町町長選挙について町の選挙選挙委員から、ぷつり
松村北斗
体のスピーカーが沈黙する。スピーカーの本体に手が届かない上におばあちゃんがコンセントを抜いたのだ。80歳過ぎいつも腰抜かし着物姿でありつつも無言で怒りを表明する。その行動クールだわと思いつつ、私はリモコンを手に取り連携、プレイの如く、テレビの電源を入れるさやちんのお姉さんの声を引き継いで、NHKのお姉さんがにこやかと喋りだす。
アナウンサー
アナウンサー
1200円に1度と言う彗星の来訪が1月に迫っています。彗星は数日間にわたって肉眼でも観測できると見られており、正規の点対称を目的にJAXAを始めとした世界中の研究機関は観測のため準備に追われています
松村北斗
画面にはティアマト彗星1ヵ月後、肉眼でもの持ちとぼやけた彗星の映像なんとなく、会話は閉じれ。NHKに混じって、私たちは女3人の食事の音だけが、授業中の仏壇みたいに、ひそひそチャカチャカと打ち度目だけになっている
いい加減、仲直りしなさいよ
松村北斗
唐突に、港が空気を読まない発言をする
大人の問題!
ピシャリと私は言う。これは大人の問題なのだ。何が町長選挙をピーヒョよろと、なんだか間抜けな怖い色でどこかしらの鳶が泣いた
行ってきますと、恋をそろえておばあちゃんにつけて俺と港は玄関を出た。盛大に夏の山鳥が泣いている。斜面沿いの狭いアスファルトを下り、いくつかの石垣の階段を降りると山の影が切れてもに直射日光が降り注ぐ眼下には丸い湖、糸森湖
その泣いた水面が朝日に反射して、ピカッと防衛女に輝いている新緑が叶ったよ。山山に青い空に白い雲隣には無意味の切符などをしている。赤いランドセルのツインテールの幼女そして私には、生足にもまぶしい女子高生、私は頭真ん中で壮大なストロングスのBGMを流してみるを日本映画のオープニングみたい。要するに日本的昭和的ど田舎に私たちが住んでいる。
京本大我
北斗
松村北斗
と背中に声をかけられたのは、小学校の前で港と別れた後だった。自転車往復、不機嫌そうな樹と、隣の荷台にちょこっと腰をかけて切って、ニコニコの大我だ
お前、早く降りろぶつぶつと樹が言っている。いいにんケチ重いやさ失礼やなと夫婦漫才のような手、これを2人は朝から繰り広げるあんた達仲いいなぁ
田中樹
良くないわ
京本大我
良くないわ
松村北斗
と、2人はハモるその人権な否定ぶりが、おかしくて、私はクスクスと笑ってしまう。軽快なギターの空なんかに、私の脳内のBGMを切り替わっている。俺たち3人はもう10年の親友である小柄で、センター分けの大河とひょろりとした調子で、大河と同じ髪型をしている。樹
2人はいつもいがみあっている風だけど、会話のテンポがぴったりで、実はお似合いなのではないかと。私はとか2本持っている。
京本大我
北斗今日は髪なちゃんとしとるな
松村北斗
自転車から降りた大河が俺のウルフ部屋のあたりを触りながら、庭にはと言う。私はいつもと同じ髪型を知っている。美容師さんに教えてもらったやり方
髪何そういえば、朝食の時ににゃむにゃになった会話を私は思い出す。今日はちゃんとしてるって。じゃあ昨日はおかしかったってこと。昨日のことを思い出そうとすると…
田中樹
そうやちゃんとおばあちゃんにお祓いしてもらったんか
松村北斗
と、樹が心配顔を乗り出した
お祓い
田中樹
ありゃ、絶対狐好きやで
松村北斗
はぁー、唐突な言葉に顔を縮める
松村北斗
きょもが呆れたように代弁する
京本大我
あんたはもう何でもオカルトに、するの
きっと北斗はストレスが溜まっとるんよな
松村北斗
ストレス
松村北斗
ちょっと何の話?
どうしてみんなに揃って心配されるの?私昨日は咄嗟にに思い出せないけど、いつもの1日だったはずあれほんとにそうだった。昨日私はそして何よりも拡声器の太い声が私の疑問を消し去った。ビニールハウスの立ち並んだ向かい側上映中、駐車場の無駄に広い敷地にこんもりと1ダース位の人だかりができている。その中心でマイクを持っているのは、人気は汗が高く、堂々とした態度の私の父だすす上半身にかけたつけや誇らしげに現職松村鈴斗と書かれている。町長選挙演説なのだ
松村鈴斗
何よりも重力再生授業継続そのための街の財政、それが実現して初めて安全安心まちづくりができるのです。現職としてここまで進めさせていただいたまちづくりを完成させたい。さらなる磨きをかけたいそして新たな情熱で、この地を導き、子供からお年寄りまで、誰もが安心して生き生きと活躍できる地域世界を実現していきたい。それが私の使命と決意を新たにし取ります。
松村北斗
その子高圧的な土嚢に行った。演説はなんだかテレビで見る。政治家の人みたいで、こんな畑に囲まれた。駐車場とマッチしていない。気がして、私は白い味らとした気持ちになる。どうせ今期も松村さんで決まるやろ。だいぶ巻いてるみたいやしね。長州から聞こえてくる。そんな声も私の気持ちをさらに暗くさせる。
最悪、私に声をかけてきたのは苦手なクラスメイト3人組だ。高校でも派手系イケてる家ラルギーに所属するこの人たちは、地味系カテゴリーに属する私たちに答える事に、チクチクと闇をつけて投げつけるのだ長長ととげ屋は1人がいって、わざとらしく、演技の父に視線を向ける。見ると、父の横には樹のお父さんが満面の意味で立っている自分の経営する会社のジャケットを着て、腕には松村鈴斗応援団と書かれた腕章を巻いている。そこから私それから樹に視線を回しながら、そいつは続けるその子供たち密着しとるな。それものり付けでつけとるの馬鹿みたい。私は返事をする。足を早めてそのまま揃うとする。でも大河だけが困ったように落ち着かげ北突然大声が響きたのだと息が止まりそうになる。信じられない。演説中だった。父親がマイクを脅した地声で私に向かって声を張り上げているのだ。焼酎も一斉に私を見る。
松村鈴斗
北斗胸を張って歩かんか
松村北斗
俺は真っ赤になる。あまりの理不尽に涙まで流してしまいそうになる。痛くなるのを懸命に捉えて、大股でその場から遠ざかる道も厳しいなぁ。塚町町やわ。表示中の声もそんなふうに囁いているわ。きつちょっとかわいそうと言うクラスメイトの半笑いが耳に届く。最悪さっきまで塗っていたBGMはいつの間にか消えている。BGMなしに、この街はただただ息苦しいだけの場所だったと私を思い出すかかかと言葉の音を立てて端から敷きものを書き続けられる。
先生
先生
黄昏と我をと彦と長つきの梅雨に濡れつつ、君忘れそう
先生
先生
黄昏これが黄昏時のごめんね。黄昏時わかるでしょ。 
先生の選んだ声がそう言って、黒板に大きく黄昏と書く。夕方に昼でもない。夜でもない時間人の輪郭をがぼやけて疲れが誰だかわからなくなる時間人ならさぁ、あるもの。出会うかもしれない。時間魔物が出くわすから大間なんて言う言葉もあるけれど、もっと古く助かる時とか肩張る時とか言ったそうです。
はい先生質問それって交わる時じゃないの?
松村北斗
6ひやかだからなぁと男子が言ってぐずぐずと笑いが上がる。確かに時々うちのおばあちゃんがそれ何的な言葉を使うのかも。1人称足出し、そんなことを考えながらノートをめくると私のページの大きな文字が書かれていた。
お前は誰だ?
松村北斗
周囲の音が見覚えのない出席に吸い込まれているみたいにずっと遠ざかる。これ私の事じゃないノート誰かに貸したりなんかもしてないはず。お前は誰だってどういうこと?〇〇さん次宮さんはい私は立ち上がる98ページから読んでくださいね。
松村さん、今日は自分の名前覚えているのね。そしてクラスのみんながとっとらないよ。これどういうこと
一度切ります

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