議論時間となった。
そこから議論は続いた。
その中でマコとコウちゃんは目を光らせた。
怪しい人はいないか。
話を誘導している人はいないか。
投票するのは、マコとコウちゃん、そしてハヤちゃん以外の11人。
………候補が多すぎる。
それに、こちらを警戒しているのかボロを出す参加者がいない。
…………後は部屋で考えよう。
そう考えたマコは、すぐさま自分の部屋に向かった。
………とりあえず、怪しそうな人を投票しよう。
そう考えたマコは、机を見て声を上げる。
そこには、投票するための十字架がたった1つしかなかった。
十字架が1つしかない。
…………つまり、マコはこの人に投票するしかない。
…………騙された。
確かに、「参加者の十字架を奪ってはいけない」というルールはない。
隙を見て十字架を奪い、ある人に投票を集中させるためだ。
悔しさをにじませながら、マコはその人に投票した。
突然、かん高い笑い声とともに、カラちゃんが目を細める。目線の先には、ハヤちゃんがいた。
その言葉は、理解できなかった。
でも、と、彼はあざ笑う。
2人の周りには、徐々にツルが近づいている。
思わずマコは、口を挟んでいた。
目線がこちらに向く。
さっきの投票は、おそらく必殺の一手。
それなら、狼陣営は1人のはず。
共犯者は知らないけど、人数は少ないはずだ。
ダンッと、マコは立ち上がる。
その間に入ったのは、ミーちゃんだった。
つたはもう、彼らの頬あたりにまで迫っていた。
カラちゃんが、なにかを言おうとした。
でも、その前につたが彼の口をふさぎ、巻き付かれた彼らはそのまま床に放り出される。
パンッという音が鳴り、つたは全体に飛び散った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。