歩き始めて早数分、
順調に進んでいたネテロさんがあるドアの前で足を止めた。
どうやらそこは飛行船内のトレーニングルームというものらしい。
飛行船にこんなものがあるのが驚きだが、
この会長ならやりかねないだろう。
中に足を踏み入れると、
内装は単調な作りになっており、機材などは一切なし。
言ってしまえばただの部屋。
からくりなどは一切なしの真剣勝負と言ったところらしい。
部屋に入るなり、そう言いながらネテロさんは、
バレーボール程の大きさをした球を手に乗せて見せる。
どんな攻撃も。
念能力もあり、と言うことだろうか。
見たところキルアとゴンはまだ念を習得していないみたいだし、
ここで使うのは私にとっても彼等にとっても惜しい。
これで2人に念の興味が湧いてしまったら危ないし、
2人なら私が白杖するまで能力について問い続けるだろう。
どうやら最初に挑むのはキルアのようだ。
余裕そうな笑みをこぼし、キルアはネテロさんの周りをぐるぐると歩き始めた。
だが普通の歩きとは違う。
肢曲。
動きに緩急をつけ、
何人にも分散したように見せる暗殺術。
暗殺の初歩技、“暗歩”の応用技だ。
あの歳であの練度と応用技術、
12歳には到底できない技なはずなのに
恐ろしいものだ。
ゴンは状況を把握できず混乱中。
対してあの会長、ネテロさんは ほう、 と感心しただけで先ほどとなんら変わらない余裕の表情を見せていた。
一瞬の隙に、ネテロさんのボールに向かいながらキルアが狙い飛びつく。
だがそれは簡単にかわされてしまった。
幾度とボールを狙い素早く動き回るキルアだが、
ネテロさんも余裕ながらにキルアの攻撃を難なくかわしつづける。
これがきっと“戦闘経験”の差だ、
到底敵いやしない。
キルアの方を見ると相当キレているようだ。
まああんなに攻撃をかわされてしまっては無理もないだろう。
そう呟いたと拍子に、
キルアはネテロさんの脚に向かって力強い蹴りを入れた。
鈍い音がトレーニングルームに響きわたる。
こんなの常人が受けれる技ではない。
なんの耐性もない人が受けたら骨は粉砕コースだろう。
ちら、っとネテロさんの表情を伺うが、先ほどとなんら変わっていないようだ。
逆に痛そうにしているのは、
キルアの方。
痛そうに脚を押さえながらぴょんぴょんとその場を飛び回っている。
キルアは痛そうに涙を滲ませながら
ギブと言わんばかりにこちらに戻ってきた。
どうやら選手交代のようだ。
隣のゴンを見ると、
オレが行きたいと言わんばかりに目を輝かせている。
ゴンは感情の起伏が激しく、分かりやすい。
私がそういうとゴンの顔は満面の笑みで包まれた。
可愛い、癒される。
母性本能とやらの気持ちはこういうことなのか。
バトンタッチとばかりにゴンとキルアが
パンッと手を合わせ、ハイタッチをした。
私は戻ってきたキルアに声を掛ける。
あんな蹴りを間近でみたらこちらも足が痛くなってくる程の威力、声をかけざるを得ない。
別に大したことねーよと言わんばかりに普通の表情。
子供って恐ろしい。キルアに限るけど。
一方でゴンの方はと言うと、
と大きな声で言いながらネテロさんに真っ向勝負を仕掛けているところだ。
ダンっ、と力強く地面を蹴り、
真正面から素早く迫る。
ネテロさんは焦った様子も見られず、
逆に楽しんでいるようだ。
だが、、
一瞬のうちに、ネテロさんの視界からゴンが消えた。
上か、と認識するまでに数秒。
その数秒の間で、ガンッと鈍い音が走った。
ゴンが上に飛んだ直後、あまり高くない天井に頭をぶつけたようだ。
着地するなり頭をグッと抑えるゴン。
キルアと同様に目には涙が浮かんでいるようだ。
ひぇ、容赦ない。
ネテロさんもこれには呆れ顔だ。
共感するよネテロさん………
呑気にそう考えていると、ゴンの口が開いた。
くるっと周り私の方に視線を向けるゴン。
次は私、と言ったところか。
正直言って、この勝負には誰も勝てない。
これが結論。
今私がボールを取ろうとしても先ほどからの勝負で結果は見え見えだ。
“勝てない勝負はしない。”
これは親に教え込まれてきた、私のモットー。
こんなところで親が出てくるなんて癪だが、
これは私の気持ちでもある。
煽り?挑発?
、この人が私の能力を知ってるはずがない。
何も知らない、知っているはずがない。
キルアは乗って煽ってくるし!!!!
、
コレ、ネテロさんぽろりそうだな。
わたしはキルア達に気づかれない声で囁く。
頭の回るジジイだ、、この人。
こうして私は、ネテロさんと勝てない勝負をすることになってしまった。
うわわ2000字超えちゃいましたт ‧̫ т
長くて見ずらかったらほんとごめんなさい՞߹ - ߹՞
あと後半につれて文適当になってるのも許してください^._.^💧













編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!