第10話

お見舞い
165
2024/07/29 15:19
その日の夕方。
その頃にはすっかり体調も良くなっていた。
ラムリ・ベネット
すー…すー…
ラムリはずっと部屋にいてくれて、本を読んでくれたり、ご飯を食べさせてくれたりした後に寝てしまった。
とても幸せそうな顔で眠っている。
あなた
ありがとう、ラムリ
コンコンコン
あなた
はい
フルーレ・ガルシア
失礼します、主様
フルーレ・ガルシア
体調は如何ですか?
あなた
フルーレ…!
もうだいぶ良くなったよ
あなた
どうしたの?
フルーレ・ガルシア
その…サリバン様とご令孫様がおいでですが、如何しますか?
フルーレ・ガルシア
今、ベリアンさんとルカスさんがドローイングルームで対応しています
あなた
行きたい…!
少し我儘わがままに言ってしまったが、フルーレは笑って用意を手伝ってくれた。
あなた
(まさか入間様まで…)
こういうことがある、というのはサリバンと同様に、入間にはいずれ伝えなくてはいけないことだ。
フルーレ・ガルシア
わっ、ラムリさん……ずっと見かけないと思ったらこんなところにいたんだ…
フルーレ・ガルシア
どうりでナックさんの機嫌が悪いわけだよ
ラムリ・ベネット
むにゃむにゃ…主様ぁ…
寝言を呟く彼はどんな夢を見ているんだろう。
あなた
もう少しだけこのままにしてあげようよ
フルーレ・ガルシア
もう、主様は甘いんですから…
こうして、支度を済ませたあなたのお名前はドローイングルームにやって来た。

他の執事は、緊急時以外に部屋に近付くことは禁止されているらしく、仕事を終えたフルーレは自分の作業に戻っていった。
サリバン
そっか…
ルカス・トンプシー
しかし、昔に比べると、症状はだいぶ落ち着いてきています
コンコンコン
あなた
失礼します、サリバン様
ペコリとお辞儀をした入ると、小型化したサリバンが涙を流しながら抱きついてきた。
サリバン
あなたのお名前ちゃ~~ん!!大丈夫!?もう平気なの?!
あなた
はい!この通り、皆のお陰ですっかり元気になりました
ベリアン・クライアン
主様、此方に
サリバンと向き合って席に座り、話に参加する。
どうやら、皆はあなたのお名前の消えた記憶や身体の状態について話し合っていたらしい。
サリバン
何か思い出したことはある?
あなた
いえ、特には…
ルカスから聞いたことを確認するように、サリバンはあなたのお名前に、丁寧に質問を繰り返した。

一通り質問を終えると、サリバンはうんうんと頷き、ニコッと笑った。
サリバン
そうそう、あなたのお名前ちゃんの入学祝いも持ってきたから後で見てみてね!
サリバン
僕は、おじいちゃんとして、あなたのお名前ちゃんの健やかな成長と充実した学校生活を祈っているよ
サリバンはあなたのお名前の目を真摯に見つめて言った。
Devil's Palaceでのおじいちゃん宣言。
あなた
おじいちゃん…!ありがとう
そんな2人を見ていたベリアンとルカスも思わず笑ってしまう。
小さい頃は、こんな風になるとは思えないくらい無愛想だったのに、と。
サリバン
それから、今日は入間くんも来てるよ!
自分から来たいって言ってくれてね、良かったら元気な姿を見せに行ってあげて
あなた
は、はい…っ!
聞くと、入間にはこの話を聞かせておらず、現在は隣のシッティングルームにて待機して貰っているらしい。
あなたのお名前は、失礼します、と告げて部屋を飛び出した。

ナック・シュタイン
そうです!はい、とてもお上手ですよ!
イルマ
あ、ありがとうございます!
あなた
失礼します…!
ノックをして扉を開けると、入間とナックが横に並んで何やら作業をしている。
あなた
(刺繍してる…?)
イルマ
あなたのお名前ちゃん…!!もう平気なの?
あなた
うん…!
あなたのお名前は入間の手元をじっと見つめた。
イルマ
あっ、これ…ナックさんに教えて貰って刺繍をしてたんだ
イルマ
交代で執事さんが来てくれて、
すると、続けて入間は待っている間のことを聞かせてくれた。その楽しそうに語る入間と微笑ましく見守っているナックを見て、あなたのお名前はふと思った。
あなた
(こんなに皆が馴れるなんて…入間様って……)
とんでもない悪魔たらし…なのかも。
先日のアスモデウスといい……
イルマ
あなたのお名前ちゃんが元気になって良かったぁ!
僕も、執事さんたちも、すごく心配してたんだよ
あなた
入間様…!
しかし、その笑顔に救われるあなたのお名前なのであった。

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