第59話

★ ep.58
366
2026/03/06 17:03 更新
会議室を出たあと。

廊下に残ったのは、
マネージャーさんと、さっきまでいたスタッフさん数人。

👩🏻広報「……正直さ」

👩🏻「守りたくなるよね」

その一言で、空気が少しゆるむ。

👩🏻‍🦰マネージャー「ですよね」

🧑🏻プロデューサー「計算してないのが、逆に厄介だ」

👨🏻現場責任者「いや、それが一番強いですよ」

👨🏻「“作ってない”って、伝わる」

その頃、わたしはというと。

廊下の端で、
壁に背中をつけて立ってた。

(終わった……よね?)

心臓、まだ速い。

そこへ、
マネージャーさんが歩いてくる。

👩🏻‍🦰「星野ちゃん」

💜「……はい」

怒られるかと思って、
反射で背筋が伸びる。

👩🏻‍🦰「大丈夫」

👩🏻‍🦰「今回は、注意だけ」

💜「……すみません」

小さく頭を下げる。

👩🏻‍🦰「謝る必要ないよ」

👩🏻‍🦰「むしろ——」

少し迷ってから、
笑った。

👩🏻‍🦰「よく耐えたね」

その言葉で、
一気に力が抜けた。

💜「……ありがとうございます」

会議室の中。

さっきとは違って、
完全に“大人の本音タイム”。

👩🏻「最初、正直言うとさ」

👩🏻「“若すぎる”って思ってた」

🧑🏻「それは否定しない」

👨🏻「でも今日で変わった」

🧑🏻「……ああ」

🧑🏻「自分の立場、ちゃんと分かってる」

🧑🏻「怖いはずなのに、逃げない」

👩🏻「しかも」

👩🏻「メンバーが前に出た時、後ろで黙ってたでしょ」

👩🏻「庇われるのを当たり前と思ってない」

👨🏻「14歳で、あれはなかなかいない」

プロデューサーが、
小さく笑う。

🧑🏻「……ほんとに、可愛いな」

その頃、楽屋。

わたしはソファの端にちょこんと座ってる。

🩵「なあ」

💜「はい」

🩵「怖かった?」

💜「……ちょっとだけ」

❤️「ちょっとだけで済むのすごい」

💛「普通、泣くよ」

💜「……泣くの、我慢しました」

🤍「……えらい」

🩷「抱きしめていい?」

💜「だめ」

即答。

🩷「即答!?」

🩵「線引き完璧やん」

みんなが笑う。

その様子を、
少し離れたところからスタッフさんが見てた。

👩🏻‍💼スタッフA「……あの子さ」

👩🏻‍💼A「愛され方、天才だよね」

🧑🏻‍💼スタッフB「自分で取りに行ってないのに」

🧑🏻‍💼B「全員が勝手に守りに行ってる」

その時。

楽屋のドアがノックされる。

👩🏻‍🦰「入るよ」

全員、顔を上げる。

👩🏻‍🦰「今日は、これで終了」

👩🏻‍🦰「よく頑張った」

💜「ありがとうございます!」

立ち上がって、ぺこっとお辞儀。

マネージャーが、
一瞬だけ優しい声になる。

👩🏻‍🦰「……無理しすぎないでね」

💜「……はい」

その返事が、
ちょっと照れたみたいで。

マネージャーは、
小さく笑った。

👩🏻‍🦰(心の声)
(ほんとに)

(可愛いな)

廊下を歩きながら、
スタッフさん同士が話してる。

👩🏻「守るの、大変そうですね」

🧑🏻「いや」

🧑🏻「守る“価値”がある」

その言葉は、
きっとわたしは知らない。

でも。

その日、
帰りの車で。

🩷「今日さ」

🩷「大人たち、あなたのこと褒めてた」

💜「……え?」

🩵「可愛いって」

❤️「めっちゃ」

🤍「満場一致」

💜「……」

顔、熱い。

💜「それ、言わなくてよかったのに……」

🩷「いや」

🩷「ちゃんと知っといて」

🩷「愛されてるから」

窓の外、
夜の景色が流れていく。

(わたし)

(ここにいて、いいんだ)

そう思えた。

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