走る勢いであなたのなまえ(カタカナ)は抜刀した。
この日輪刀は,前世の兄が使っていたものだ。
前世のことを思い出す前から,少女は何故かこの刀を大事に持っていた。
なんで持っているのかわからないけど持っていた。
いつも戦闘で使う刀は先日折ってしまった。
もう,頼れるものはこの日輪刀しかない。
ゴォォォォ……
彼女の口元から独特の呼吸音が漏れる。
とっさに黄猿は己の体を光にした。
突然消えた相手に,少女は動揺した。
海軍大将はウタとともにルフィの真上から落下していた。
ちょうどこの場所に到着した狙撃手がそれに気づき,駆け出した。
そして叫ぶ。
あなたのなまえ(カタカナ)も黄猿の居場所をすぐに突き止めた。
刀を振るのは危ない,と考え,すぐに呼吸を少し変える。
そして,刀の切っ先を黄猿に向けた。
あなたのなまえ(カタカナ)は飛び上がりながら,両手で日輪刀を突き出した。
全ての威力を一点に集中させる,日の呼吸唯一の突き技である。
相手はひらりと身をかわし,刀を避けた。
ウタが彼の腕で暴れた。
それをすかさず締め付け,抑える黄猿にあなたのなまえ(カタカナ)の怒りは頂点に達した。
キレたあなたのなまえ(カタカナ)に,そこにいたルフィを始めとする全員が目を丸くした。
黄猿も例外ではない。
海軍所属のとき,いつもニコニコ笑っていたあの温厚な少女がキレたのだから,無理はない。
今まで,多少キレることがあっても,ここまで激しくキレたことは決してなかった。
















編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!