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第1話

初恋は幼馴染
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2018/02/05 07:57

隣人の幼馴染への恋。

それが、俺の初恋だった。



「…てっちゃん、また来てたの?」



あなたがベランダの鍵をかけないのは、俺がこの部屋に来るのを拒んでいない証拠なのか。

それとも、ただ気にしていないだけなのか。


…あなたのことだから、後者だろうな。



「おう。おかえり」

「…もう、今日も学校サボったでしょ」

「だってめんどくさいし」



彼女の手には、大きな紙袋。
そこからは色々なラッピング袋が覗いている。

そう、今日はバレンタインなのだ。



「…なぁ、俺には?」

「なにが?」

「チョコ」



手を差し出した俺の姿を見て、彼女は一度 ため息をつき、カバンの中から小さな箱を取り出した。



「ありがと…」

「あ、ちょ…ちょっと待って!」

「…なに?」

「今…食べないでよ」

「なんで?」

「だって…てっちゃんの方が料理上手なんだもん」


苦笑いを浮かべた彼女は、荷物を置いて 俺の隣に座る。

ふわりと香る彼女の匂いに、ドキッとしてしまう。
距離が近すぎるのも…色々と困ったものだ。



「あっ!もう、食べないでって言ったのに…」

「…うまい」

「本当に?…ありがとう」



嬉しそうな表情に 思わず見とれてしまうのは、仕方のないことだろう。

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