夕日が、花を染める。
オレンジ色の花は、少し切なく見えた。
────変わらないものなんて、ない。
そう思っていたのに。
変わらないものが、ひとつだけ残ってしまった。
それが何かは、まだ言葉にできなかった。
あの場所に来てしまった。
苦笑いしながら、あなたは花壇の前に立つ。
来ないって分かってる。
もう、何年も経ってるんだから。
それでも────
誰に言い訳してるのかもわからないまま、しゃがみ込む。
オレンジ色の花は、変わらずそこにある。
小さく呟く。
突然、後ろから声がした。
心臓が、止まりそうになる。
ゆっくり振り返る。
そこにいたのは────
あの頃より少し大人になった、JOくんだった。
それしか言葉が出てこない。
声が震える。
嬉しいのか、悲しいのか、自分でも分からない。
JOくんは、まっすぐ言う。
思ってたよりも、強い声が出た。
JOくんは、何も言わずに聞いている。
言葉が止まらない。
気づけば、涙がこぼれていた。
静寂が落ちる。
風が吹いて、花が揺れる。
やっと、JOくんが口を開いた。
否定しないその言葉に、少しだけ戸惑う。
JOくんはゆっくり続ける。
ポケットから、何かを取り出す。
それは────
少し色あせた、押し花。
あの日、二人で見ていたオレンジ色の花。
JOくんは静かに言う。
頭が、追いつかない。
あなたは息を呑む。
JOくんは、苦笑いをした。
時間が、ずれていた。
同じ約束を守ろうとして────
すれ違っていた。
押し花を、そっと見せる。
あなたの胸が、締めつけられる。
JOくんは言う。












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!