最近、周りが忙しくなった気がする。
廊下を行き交う足音は絶えないし、無線はひっきりなしに鳴る。呼び出しも、任務も、明らかに増えていた。
忠誠式が終わって、体制も変わった。
それぞれの役割がはっきりして国がちゃんと回り始めた
国境沿いを守る以外ほぼ任務のないワイらとは違って
前線に出るのは近距離や暗殺で
政治や医療も、動きっぱなし。
情報部隊も書記長も、ずっと働いとる
ふと目をやると広報官の部屋まで来ていた
広報官室
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広報官室にあるモニターに任務中のゾムが映った
不意にインカムを触った
建物の屋上でナイフを持って前に出る
無駄の無い動き
分かってる、分かってるけど、
どうしたらええかなんて、分からへん
パタン
もう一度モニターに目を向ける
さっきまで映っていた場所にはもう誰もいない
当たり前のこと
でも、
前とか後ろやなくて、ちゃんと同じ高さで
廊下
言い合いながらも距離は近い
軽く肩がぶつかっても離れない
一瞬だけ思考が止まった。その先に進みそうになって
やめる。
ピッー
ピッ
頭の中で情報をなぞる
隣国。
小さいくせに、工業力だけはやたら高い。
ここ最近、境界付近の動きは確かに増えていた。
偵察の頻度も、配置も。
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!