B国総統が来た日
情報部隊室
パタン
カチャ ピー ピー
現在
幹部たちは最初こそ熱の篭った議論をしていたが
仲間と国どちらを取るか決められずに沈黙が続いた
ギィー
円卓を囲んだ幹部13人の沈黙は、鬱先生が椅子を引く乾いた音によって破られた。
二人は誰よりも早く立ち上がり、迷いのない足取りで扉へと向かう。この二人が最初の一歩を踏み出したことで、張り詰めていた糸が次々と切れていった。
ガタンッ
その後に続いたのは、ショッピだった。
ボロボロの軍服で座り込むコネシマの胸ぐらを掴み拳を震わせる。吹っ切れたはずだった。
2024年2月に一人で前を向くと決めたはずなのに、目の前の男が「檻の中でいい」と口にした瞬間、抑えていた感情が溢れ出した。
視界が急激に滲み、大粒の涙が零れ落ちた
喉から絞り出した罵倒と共にショッピは掴んでいた手を乱暴に突き放し袖で顔を拭いながら
鬱先生たちの後を追った。
ガタッ
2人は抱擁を交わしゾムは大先生に、ロボロは違う国へ歩むために扉へ歩いていった
カツンッ
トントンは右耳のピアスを外して机に置いた
過去形で綴られた決別を置き去りに、トントンもまた
鬱先生の後ろを追った
扉の直前で、鬱先生がふと足を止め、最後に残った新人を振り返った
レパロウは、自分を推薦してくれたチーノと、去りゆく先輩たちの背中を交互に見つめ、真っ直ぐに答えた
13人の主役が揃った会議室から、一人、また一人と「我々国」の肩書きが消えていく。
残されたのは、数人と静まり返った部屋と、机の上に残された一つのピアス。
去りゆく9人の足音と、それぞれの道へ散る者たちの決意が、崩壊した国の廊下に冷たく響き渡っていた。
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。