東京都立呪術高等専門学校ー 入学当日
高専の周りに咲き乱れている桜を呑気に眺めている私は
この日から始まる、あることをまだ知らなかった。
『でっかぁ…』
「そりゃそうでしょ、都立なんだから〜!」
と私を連れ回しながら笑うこの人。
五条悟20歳、特級呪術師だ。
『東京ドーム1個スポッとハマるんじゃ?』
「あなた東京ドームなんて行ったことないのによく言えるね」
『すみませんね行ったことなくて』
「まあそんなイライラしてないでさ、気楽に行こうよ!」とイライラさせている元凶が言う。
性格なんとかしてください。
「悟!!さっさと教室へ案内して任務へ行け!!」
と呪骸(ツカモト)を抱えた夜蛾学長が叫ぶ。
なるほど、任務が嫌だったのかこの教師。
「えー…」と口を尖らせ、私の方へ体を向ける。
「ねえさ、僕の任務肩代わりしてくんないかな!?」
『はあ?』
ここで任務を受けたことを、後々私は後悔することになる。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。