夏休みはあっと言う間に終わった。
8月の終わりに差し掛かったところで2学期がスタートする。
周りの同じ制服を着た子達はほとんど今日の実力テストの勉強をしてきたかの話をしている。
いつもは笑虎ちゃんと話しながら歩いているのに、今日は話さないどころか会わない。
私はびくびくしながら1年生の教室前廊下を歩くと、ある女子生徒達4人の言葉が耳に入った。
悪いな、中性的で。
そして私は笑虎ちゃんの彼氏ではない。
さあこの子達は私に聞こえていないとでもお思いなのだろうか。まるで私が物のような扱いが成されているではないか。こんな見た目でも怒ればそれなりの気迫はある。はず。
時間もあるし、私はあの女子生徒に近づいた。
まさか声を掛けられるとは思っていなかったようで全員が驚いた顔をする。
思考が追いつかないようでガッツリ固まっている。別に私も問い詰めたい訳ではない。
私は最後にそう言うとくるりと踵を返す。そしてまた同じように廊下を歩いていたら、またさっきの子達の声がする。
恥ずかしい気持ちが6.5割。嬉しい気持ちが0.5割。腹立たしい気持ちが3割。
私は廊下を全力ダッシュで駆け抜けた。
教室に着くと全員の視線が私に向く。私がは?と思った後すぐ、クラスの人達が一気に私に駆け寄ってくる。
何だ、この噂。初っ端から言っていることが事実と違う。
まずもう一度言うが、私は笑虎ちゃんと付き合っていない。
そして恋の鉄壁って何だ。聞いた事ない。どこのあだ名だよ。
それと別に私は口説いていない。無意識のうちに口説いていたなら私はただの天然タラシ()ではないか。絶対に無いが。
私は集まってきた人達を追い払うように手をパタパタと振る。
クラスメイトは一斉にニヤリと笑った後、私に友好的な笑みを見せた。
クラスメイトはニヤリと笑みを浮かべている。
何だよ。全部向こうの計画通りですか。
残念。向こうの方が一枚上手でした。
笑虎ちゃんはいつもの苦笑でこちらに来る。教室を出たところでやっと私の存在に気がついたようだ。
証言は一瞬で取れた。私はクラスメイトの腕を掴み、引き寄せる。
私は別れ際に笑虎ちゃんに耳打ちした。
テストが無事終了し、終礼を終えたクラスから下校となる。
私はすぐ家には帰らず、図書室に行く。
司書さんから個室のキャレルの鍵を借り、部屋番号の横に名前を書く。司書さんには「テスト終わったばっかりなのに勉強なんて偉い」と褒められてしまったが、勉強する気なんぞゼロだ。
私はそれだけ司書さんに伝えると鍵を受け取って鍵の番号と一致する部屋に入る。
少ししてから、笑虎ちゃんがキャレルに入ってきた。
私はキャレルに置いてある椅子を移動させ、お互いが向かい合って座れるように置く。
笑虎ちゃんは大人しく座ってくれる。
少しの沈黙の後、私は口を開いた。
私は一呼吸置いてまた口を開く。

※2024年11月30日21時25分現在気付いたら()総閲覧数5000、総いいね数440超えてました!
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編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。