まだ、頭の中にあの人たちの私に対する冷たくて
いやで仕方ないあの視線がこびりつく
きっと、私は傍から見たらおかしい人
雨の中傘もささずに川に飛び込もうとした
でも、できなかった
私はいつまでたっても臆病で
そんなことを呟いても
大雨のおかげで誰にも聞かれることはない
苦しくてその場にしゃがみ込む
これ以上濡れたら風邪をひくだとか
洋服が濡れて寒くなるだとか
…そんなのどうでもよかった
周りに今更変な目で見られようが、
影で馬鹿にされようが…どうでもよかった
だって
貴方がいつもみたいに、助けてくれるって知ってたから
中也は優しくしゃがみ込んで傘を私にさしてくれる
その言葉を発した瞬間
あたりの音が聞こえなくなったみたいに静かになって
少し、怖かった
そう言い笑う中也は、まるで
神様みたいだった
中也Side
大雨の日
嫌な予感がして仕方なかった
また、あいつが苦しんでるんじゃないかって
いても立ってもいられなくなって
本部を飛び出した
きっとあいつのことだから傘をさす余裕すらないんだろう
とある一つの川の近く
小柄な女性がしゃがんで雨に打たれていた
少し安心した
勢いに任せて飛び込むようなやつじゃなくて安心した
平然を取り繕ってあいつに近づく
俺がそう言うと顔をぱっと上げ
嬉しそうな表情をする
そんなあいつが愛らしくて仕方なかった
きっと、俺しか今頼れる味方なんて居ない
そう、俺だけをみていてくれる
そんなあいつが可愛くて、仕方なかった
しゃがんで目線を合わせ傘をさす
何かを言いたそうにしていた
驚いたけど表情には出さなかった
それでも、あいつが好きだから
…お前がいないと…俺はッ、
あなたはその言葉を待っていたかのように泣きそうに
でも、嬉しそうに微笑んだ
俺がいないと何も出来なくて
俺しか頼れなくて
本当は愛されてることにも気づかないくらい追い込まれていて
それでいて鈍感で
そんなあなたが好きで仕方ない
彼奴等の好意になんて
永遠に気づかないでいろよ












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。