誰もが一度は住みたいなどと憧れる街、王都。
そんな明るい場所には同じだけ暗い、影の部分がある事を人々は知っているのだろうか。
案の定、今日も王都には不穏な影が落とされていた。
そんな場所に興奮を隠しきれていない少年が、軽い足取りで歩いていた。
現在、時計は午後9時を回り、恐らく子供は寝静まっている頃だろう。
そのためか少年は、街ゆく人に白い目で見られていた。
しかし、少年は他人の目を全く気にすることなく裏路地へと足を進める。
王都というものは、華やかである。
が、華やかであるからこそ影も大きいのだ。
少し道を外せば、「地下街」と呼ばれる地域と同じような光景だって、容易に目にすることが出来る。
そんな裏路地の奥へ、奥へと足を進める少年の手をよく見ると、何やら小さな箱のようなものが握られていた。
きゃはは、と子供らしい甲高い声で笑った少年は、
雪とおなじ、純白の髪色をしていた。
満足そうな笑みを浮かべて__________
Ru. 任務完了











編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!