「好きだよ。あなたちゃん」
沈黙を裂くように、星くんが言った。
あ、と。思った時には既に、星くんの視線に囚われる。
熱を帯びた眼差しから、逃げられなくなる。
「ねぇ、好きだよ。僕じゃ駄目なの……?」
追い打ちをかけるように、星くんは切実な声で、潤んだ瞳で訴えかけてくる。
私は、ぐっと唇を噛んだ。
――ダメじゃない。本当はずっと、ダメなんかじゃなかった。
だって、私は……星くんが好きだから。
星くんが告白してくるようになったのは、多分この恋は叶わないだろうなと諦めて達也先輩と付き合った後。
だから、星くんのことが好きだったけど、達也先輩のことも人として好きだったから裏切れなくて、星くんの告白はいつも断っていた。
だけど――先輩は、私を裏切った。
……それなら。
「……ごめんね、今まで」
私は泣きそうになりながら、星くんに笑いかける。
好きな人に一途に想われてたのに、告白を拒んで、他の人と付き合ってた。――こんな私なんて、星くんに相応しくないかもしれないけど。
「好き。本当はずっと好きだった……。付き合って、くださ」
言い終わる前に、星くんは私を抱きしめた。
「付き合って!大好き……!!」
嬉しそうな声が耳元で響いた。
結構な大音量だったため、う、と思わず苦しげに漏らすと、星くんは私から離れて「ごめんね!!」と焦ったように謝った。
色々と全力な星くんに、ふ、と笑みが零れる。
すごく、幸せな笑みが。
「よろしくね。星くん」
「――うん!」
星くんは満面の笑みで頷いてくれた。












編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。