jk「あの、テヒョン」
ふと、コーヒーを飲み干した後に、
俺はテヒョンに顔を向けた。
jk「…バイクに、また乗りたいって
言ってたこと、覚えてますか?」
少しだけ、緊張して聞くと___
テヒョンは、柔らかく笑って頷いた。
v「うん、覚えてるよ。
……事故したのは、僕の責任だから。
怖いのは、しょうがないって思ってる。
でもね……」
そこまで言って、少しだけ俯く。
v「それでも、どうしても乗りたいんだ。
風を感じるのが好きだったから……
ずっと、忘れられなかった」
その言葉に、
俺の心は静かに揺れた。
jk「そっか」
優しく返してから、
横にあった紙袋の中から
箱を取り出す。
jk「……じゃあ、これ。
テヒョンに、プレゼント」
俺は、
真新しいヘルメットの入った箱を、
そっとテーブルの上に差し出した。
v「え…?」
テヒョンが不思議そうに箱を開ける。
中に入っていた、
ピカピカのヘルメットを見つけた瞬間__
彼の瞳が一気に潤んだ。
v「これ……本当に、いいの……?」
jk「はい。それ、テヒョン用です。」
にっこり笑って言うと、
テヒョンはゆっくりとヘルメットを
両手で取り出し、
細かいところまでじっくり見始めた。
内装の柔らかさ、
カラーリング、形……
全部、自分のために
選ばれたものだと分かって、
テヒョンはその場でポロポロと
涙を流し始めた。
v「ジョングガ……ありがとう……」
その涙の意味が、
嬉しさと愛しさだって分かって、
俺も胸が熱くなった。
jk「……見せたいものがあるんです。」
俺はそう言って会計を済ませ、
テヒョンを外へと連れ出した。
歩いて数分。
いつもより広い駐車場の端っこ。
そこに、新しく手に入れた
俺の相棒が停まっていた。
v「……え?」
テヒョンの足が止まる。
俺は無言でそのバイクを指差した。
テヒョンはゆっくりと近づいていき___
v「これ……僕が、
昔乗ってたモデルじゃん……」
声が震えていた。
v「え、これ……高かったでしょ……?」
俺は少しだけ照れながらも、
真っ直ぐに言った。
jk「テヒョンのためなら、
高くないですよ。」
その瞬間、テヒョンはまた、
顔を手で覆って泣いた。
だけど、今度は笑顔のまま泣いていた。
しばらくして、
二人でヘルメットを被った。
俺は運転席に、テヒョンは後ろ。
自然と、
俺の腰にテヒョンの腕が回ってきて、
背中にそっと彼のぬくもりが伝わる。
jk「……準備いいですか?」
v「うん。行こう、ジョングガ」
エンジンをかけて、アクセルを回す。
風がまた、二人の間をすり抜けていく。
そのまま街を走り抜け、
人気のない高台へ。
ゆっくりと夕陽が沈んでいく場所。
赤く染まる空の下で、
俺たちは言葉もなく並んで
バイクに腰をかけた。
v「この景色……久しぶりだね」
テヒョンがそう呟いたとき、
俺は横顔を見ながら思った。
これからの人生、
こうして隣にいてくれたら、
それだけでいいって。
ずっと、守るから。
ずっと、隣にいるから。











編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。