第10話

過去編(湊)
11
2025/11/23 17:00 更新
元カノ
湊くん、束縛強くて怖いんだもん…
元カノ
私、もう無理だよ
元カノ
グスッグスッ
(あーまたか)

人より愛が重い自覚はある。恋人を一人にさせたくないし、相手のことを誰よりも知っていたい。いつだってそばにいたい。
(でも俺にどうしろっていうんだ)
(束縛しないように我慢したら、それはそれで冷たいとか言ってくるしさ…)
俺が依存すればするほど相手は反発するようになる。泣き喚いたり、別れを切り出されるだけならまだいいほう。

人はいつだって自分が一番大切で、なにかあれば平気で攻撃する。かわいいと思っていた女の子が悪魔のように豹変していく。それを見て、きっとこの子に必要なのは俺じゃないと思った。

恋というものに対しての懐疑的な考えが抜けきれず、大学に入ってからは一人も恋人ができなかった。
女の子
湊くんが好きです
ごめん、彼女作るつもりなくてさ
いつも作り笑いを浮かべてやり過ごす。会社に勤め始めた頃、女性との恋愛に体が拒絶反応を起こすようになり、俺は女性恐怖症に近い状態に陥っていた。









女性の同僚
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あぁ、
(朝から気分が悪いな)
(安定剤が効いてないのか…?)
耐えきれなくなり急足でトイレに向かい、大量の薬を流し込む。
ゔぅ、、
はぁ…
会社の同僚
あーあー
会社の同僚
またオーバードーズしてる
会社の同僚
そんなんじゃ、余計に薬やめられなくなるよ?
…うるせぇ
飲まないと仕事になんないんだよ
会社の同僚
まー無理すんなよ








ある日から公園で男の子を見かけるようになった。
中学生くらいだろうか。とても容姿がととのっていて、女の子と見間違えそうなくらいだった。しかし、俺が女性に感じる嫌悪感はなく素直に綺麗な子だと思った。

ストーカーと言われても仕方ないが、俺は彼のことを探すようになった。最近学校を休みがちなこと、よく夜中に出歩くことなど沢山のことを知った。名前こそ知らない彼に恋とも言える感情を抱いた。
(今日もいる、、寒くないのか、?)



















(今日は、頬が赤い…もしかして虐待…?)



















(今日は制服だ、、近所の〇〇高校かな)


















(今日もいるかな、)
…なっ!?

この日も彼はブランコで揺られていた。しかし、いつもと違って頭から水を被って濡れていた。
こんなに寒い日になんで、

そのとき、彼の口が動いた。
、、、死んでも、悲しむ人はいないのか


ぼそっと聞こえただけで、聞き間違いの可能性だってある。でも虚な目が彼の孤独を物語っていて無視することなんてできなかった。
…よかったらうちにこない?
(あ、、)
(しまった、彼は未成年だ)
(話し相手になるくらいならともかく、家に入れるのは誘拐に、)
…っ!!
でも彼は迷わず僕の手をとった。彼があまりにすぐ受け入れるものだから俺はそれ以上何も言えなくなってしまう。これが、誘拐事件の始まり。

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