第20話

デート
1,110
2022/06/18 14:32 更新



あなた
これも...なんか、違う気がする


私はその日、何度も鏡の前に立っては着替え。
あーでもない、こーでもない。と。




クローゼットと鏡の前を何度も何度も往復していた。





轟焦凍
まだ居たのか?
あなた
え?
轟焦凍
もう、8時だぞ?
仕事いいのか?
あなた
え?!もうそんな時間?!
...いってきます!!
轟焦凍
お。


私は家を飛び出して、せっかく整えた髪もメイクも。
気にすることなく走った。





その日は仕事がとても長く感じて。




初めてだ。
仕事が早く終わらないか、と思ったのは。






ジリリリリリ



騒がしい、退勤を告げるベルが鳴る。
私はそれと同時に、お先に失礼します、と言って走り出した。
切島が、待ってる...。そう思って。






はやく、会いたい。





そんな気持ちを胸に抱いて。






待ち合わせにしてある、時計台の下に赤髪の彼はいた。






あなた
切島...!
切島鋭児郎
お、早かったな。
おつかれ。


そう言って笑う切島はやっぱりカッコよくて。
やっぱり、好きだなぁ、思う。




あなた
う、うんっ。
切島鋭児郎
上鳴にいい店教えてもらったんだ


そう言って、切島は私の手を取って。
ゆっくりと歩いてくれた。




...まるで。
夏にいのように。





え?今までこんなことしてたっけ?
今まで、何度か切島とは出かけたけど。





こんなことをされたのは、1度もなかった。




切島鋭児郎
な、なんだよっ//
あなた
いや、その...エスコート...
切島鋭児郎
わ、わりいかよっ//
あなた
いや、えっと、その...
うれ、しい、ですっ//


なんだか女の子扱いされてるようで、とても嬉しかった。




2人で顔を赤くしながら着いた先は。
この辺りでは人気店の、イタリアンだった。




職場の人も何人かここオススメだって言ってたっけ。




あなた
こんな店知ってるんだね
切島鋭児郎
俺...恋愛経験とかねえから
居酒屋とか知らなくてよ...
切島鋭児郎
女はこういう店が好きなんだろ?
あなた
え...?まあ、そう、かな?


そのお店は白を基調としたエレガンスな空間だった。



証明も白で、この中で写真撮ったら、盛れそうだな、なんて考えるくらいにはオシャレな空間。





切島鋭児郎
好きなもの、頼めよ!


そう言ってメニュー表を私に渡してくれた。




なんだか前とは全く違う別人のようで、すごく驚いた。だって前は、自分が決めてからしか絶対渡してくんなかったもん(笑)





あなた
決めたよ、ハイ。


私がメニュー表を返すと、それを受け取りしばらく見つめてから、店員さんを呼んでくれた。




ここも、前と違う(笑)
呼ぶのはいつも私だったのに。







そして、スムーズに注文をしてくれて。




なんだか今日の切島...紳士だ。(失礼)
夏にいみたいに、優しい...!
いや、いつも優しいけど!
いつもとは違う...優しさだ。





あなた
なんか今日、変。
切島鋭児郎
な、何がだよ?!
あなた
...なんか隠してない?
切島鋭児郎
((ギクッ))
あなた
...怪しい。
切島鋭児郎
なんもねえよ!
嫌なのか?
あなた
嫌...っていうか
切島鋭児郎
あなた
嬉しい、けど
切島鋭児郎
...っ!!
あなた
でもいつもと違うじゃん。
切島鋭児郎
そ、それは...

切島が何か言いかけた時。




タイミング悪く、店員さんが料理を運んできた。





こちら、卵のカルボナーラと
濃厚クリームの鮭パスタです。
あなた
あ、鮭、です。


ゆっくりと、音が鳴らないように店員さんがことり、とお皿を目の前に置く。
切島の料理も目の前に置かれた。




店員さんはぺこり、とお辞儀をして私たちから離れていった。




切島鋭児郎
食べようぜ!
あなた
う、うん。
いただきます。

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